所得税の基本

所得税

所得は、個人が1年間に得た収入から、必要経費を差し引いた額のこと。

所得税は、所得に掛かる税金のこと。


納税義務者 課税対象の範囲
居住者 非永住者以外 全ての所得。       
非永住者 国外源泉所得以外の所得及び国外源泉所得で、国内において支払われた、または国外から送金されたもの。
非居住者 国内源泉所得のみ。

居住者は、国内に住所がある、または引き続き1年以上国内に居所がある者。

非永住者は、居住者のうち日本国籍がない者。かつ、過去10年間のうちに国内に住所又は居所を有する期間が5年以下であることが要件になる。

所得税の計算

所得税は、次のようにして計算する。


STEP

01

所得金額を求める


所得を10種類に分けて、それぞれの所得金額を計算する。

①利子所得、②配当所得、③不動産所得、④事業所得、⑤給与所得、⑥退職所得、⑦山林所得、
⑧譲渡所得、⑨一時所得、⑩雑所得


STEP

02

課税標準を計算


各所得金額を合計して、課税標準を計算する。また、損益通算や損失の繰越控除を行う。

STEP

03

課税所得金額を求める


課税標準から、14種類の所得控除を差し引いて、課税所得金額を計算する。

①基礎控除、②配偶者控除、③配偶者特別控除、④扶養控除、⑤障害者控除、⑥寡婦控除、
⑦勤労学生控除、⑧社会保険料控除、⑨生命保険料控除、⑩地震保険料控除、
⑪小規模企業共済等掛金控除、⑫医療費控除、⑬雑損控除、⑭寄付金控除

STEP

04

所得税額を求める


課税所得金額に税率を掛けて、所得税額を計算する。

所得税額から、住宅ローン控除や配当控除など税額控除を差し引いて、申告税額を計算する。

総合課税・分離課税

Step1で求めた所得金額は、原則として合算されて課税されるけれど、一部の所得は他の所得と分離して課税される。


総合課税 合算して課税する。利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得(土地、建物、株式以外)、一時所得、雑所得がこれに当たる。
分離課税 分離して課税する。退職所得、山林所得、譲渡所得(土地、建物、株式)がこれに当たる。

利子所得、配当所得、一時所得、雑所得は、源泉分離課税とされているものを除く。

分離課税には、申告分離課税と源泉分離課税がある。

申告分離課税は、収入を得た人が自分で税額を申告するもの。

源泉分離課税は、所得から税額が天引きされるもの。

所得税の非課税

所得税が非課税になるものには、次のようなものがある。


  • 社会保険の給付金
  • 15万円までの通勤手当
  • 30万円までの生活用動産の譲渡所得
  • 生命保険や損害保険の保険金で、身体の傷害に基因して支払われるもの
  • 損害保険の保険金で、資産の損害に基因して支払われるもの

所得控除

所得控除

所得控除は、税金を計算するときに、所得から控除することができるもの。次の14種類があり、これらは課税されないよ。


  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除・寡夫控除
  • 勤労学生控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 医療費控除
  • 雑損控除
  • 寄付金控除

基礎控除

基礎控除は、誰でも条件なく適用することができるもの。控除額は38万円となる。

配偶者控除

配偶者控除は、控除対象配偶者がいる場合に適用することができるもの。

控除対象配偶者の要件は、次のようなものがある。

①納税者本人と生計を一にする配偶者であること。

青色事業専従者、事業専従者、内縁関係者を除く。


②配偶者の合計所得金額が38万円以下であること。

年収でいうと103万円以下になる。


③納税者本人の合計所得額が1,000万円以下であること。


①と②を満たす配偶者を同一生計配偶者という。

控除対象配偶者は、同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下の納税者の配偶者のこと。



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控除額
納税者本人の合計所得金額 控除額
控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円48万円
900万円超950万円以下 26万円32万円
950万円超1,000万円以下 13万円16万円

従来は、控除額が一律38万円で、老人控除対象配偶者の場合は48万円だった。平成30年より、納税者本人の合計所得金額に応じて、控除額が3段階になった。

老人控除対象配偶者は、70歳以上の控除対象配偶者のこと。

配偶者特別控除

配偶者特別控除は、配偶者控除の対象にならない場合で、次の要件を満たす場合に適用できる。


  • 納税者本人と生計を一にする配偶者であること。

    青色事業専従者、事業専従者、内縁関係者を除く。

  • 配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下であること。
  • 納税者本人の合計所得額が1,000万円以下であること。

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控除額
配偶者本人の合計所得金額 納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超950万円以下 950万円超1,000万円以下
38万円超85万円以下 38万円26万円13万円
85万円超90万円以下 36万円24万円12万円
90万円超95万円以下 31万円21万円11万円
95万円超100万円以下 26万円18万円9万円
100万円超105万円以下 21万円14万円7万円
105万円超110万円以下 16万円11万円6万円
110万円超115万円以下 11万円8万円4万円
115万円超120万円以下 6万円4万円2万円
120万円超123万円以下 3万円2万円1万円

扶養控除

扶養控除は、控除対象扶養親族がいる場合に適用することができる。

控除対象扶養親族の要件は、次のようなものがある。


  • 納税者本人と生計を一にする配偶者以外の親族であること。

    青色事業専従者と事業専従者を除く。

  • その親族の合計所得金額が38万円以下であること。

    年収でいうと103万円以下になる。


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控除額
  • 一般の控除対象扶養親族:38万円

    一般の控除対象扶養親族は、扶養親族で16歳以上の人のこと。

  • 特定扶養親族:63万円

    扶養親族で19歳以上23歳未満の人のこと。

  • 老人扶養親族:同居老親等は58万円、それ以外は48万円

    扶養親族で70歳以上の人のこと。

障害者控除

障害者控除は、納税者本人が障害者である場合のほか、同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合に適用することができる。


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控除額
  • 一般障害者:27万円
  • 特別障害者(障害等級1級、2級):40万円(同居特別障害者以外)
  • 同居特別障害者以外:75万円

寡婦控除・寡夫控除

寡婦控除は、納税者本人が寡婦の場合に適用することができる。

また、寡夫控除は納税者本人が寡夫の場合に適用することができる。


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寡婦の要件

納税者本人がその年の12月31日時点で、次のいずれかに当てはまる人になる。


  • 夫と死別・離婚した後、婚姻をしていない人。あるいは、夫の生死が明らかではない人で、扶養親族または生計を一にする子がいる人。
  • 夫と死別した後、婚姻をしていない人。あるいは、夫の生死が明らかではない人で、合計所得金額が500万円以下の人。

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寡夫の要件

納税者本人がその年の12月31日時点で、次の全てに当てはまる人になる。


  • 合計所得金額が500万円以下の人。
  • 妻と死別・離婚した後、婚姻をしていない人。あるいは、妻の生死が明らかではない人。
  • 生計を一にする子がいる人。

課税標準の合計額が基礎控除以下の子に限る。


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控除額

控除額は原則27万円で、一定の場合には35万円になる。

勤労学生控除

勤労学生控除は、納税者本人が勤労学生である場合に適用することができる。

勤労学生は、一定の学生であり、合計所得金額が75万円以下の人のこと。

控除額は27万円になる。


人的控除は、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除のこと。

人的控除は、12月31日時点の状況で判断をする。ただし、納税者が死亡した場合、死亡時期で判断をする。

社会保険料控除

社会保険料控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族に係る社会保険料を支払った場合に適用することができる。控除額は全額となる。

社会保険料には、国民健康保険健康保険国民年金厚生年金介護保険などの保険料がある。また、国民年金基金厚生年金基金の掛け金も含まれる。


同一生計親族であっても、公的年金受給者の公的年金から控除されている介護保険料については、その受給者の収入から控除すべきものであるため、納税者本人の社会保険料控除とすることができない。

例えば、扶養している妻の公的年金から介護保険料が徴収されている場合、この介護保険料を納税者である夫の社会保険料控除とすることができない。

生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険料を支払った場合に適用することができる。一般の生命保険料個人年金保険料介護医療保険料に区分して、各控除額を計算する。

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控除額
一般の生命保険料控除 個人年金保険料控除 介護医療保険料控除 合計
平成
23年以前
の契約
所得税 最高50,000円最高50,000円最高100,000円
住民税 最高35,000円最高35,000円最高70,000円
平成
24年以前
の契約
所得税 最高40,000円最高40,000円最高40,000円最高120,000円
住民税 最高28,000円最高28,000円最高28,000円最高70,000円

地震保険料控除

地震保険料控除は、居住用家屋や生活用動産を保険の目的とする地震保険料を支払った場合に適用することができる。

控除額は、地震保険料の全額となり、最高5万円になる。住民税の地震保険料控除額は最高25,000円になる。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済の掛け金や、確定拠出年金の掛け金を支払った場合に適用することができる。控除額は、全額となる。

医療費控除

医療費控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に適用することができる。


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控除額

控除額 = 支出した医療費の額 – 保険金などの額 – 10万円

控除額の上限は200万円になる。

保険金などの額は、健康保険や生命保険などからの給付金になる。

課税標準の合計が200万円未満の場合は、課税標準の合計×5%になる。


医療費控除を受けるには、確定申告時に、その年中に支払った医療費控除の明細書を添付する必要がある。

なお、医療費控除から交付を受けた医療費通知がある場合、その医療費通知を添付することによって、医療費控除の明細書の記載を省略することができる。

医療費には、医療費控除の対象になるものとならないものがある。


年末時点で未払いの医療費がある場合、その金額は医療費控除の対象外になる。



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医療費控除の対象になるもの
  • 医師または歯科医師による診療費、治療費、出産費用
  • 先進医療の技術料

    公的医療保険や健康保険などの対象外だけど、医療費控除の対象になる。

  • 治療または療養に必要な薬代、風邪薬の購入費
  • 治療のためのマッサージ代、はり師、きゅう師による施術代
  • 入院費、通院や入院のための交通費
  • 診療や療養を受けるための医療用器具の購入等、松葉杖の購入など


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医療費控除の対象にならないもの
  • 美容整形の費用
  • 人間ドックや健康診断の費用

    ただし、重大な疾病が見つかり、治療を行った場合は対象になる。

  • 病気予防、健康増進のための医薬品代や健康食品代、インフルエンザの予防接種やビタミン剤
  • 疲れを癒すためのマッサージ代
  • 自己都合の差額ベッド代
  • 通院のための自家用車のガソリン代
  • 電車やバスで通院できるにもかかわらず、タクシーで通院した場合のタクシー代
  • 近視や乱視のためのコンタクトレンズ代

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医療費控除の特例

健康の維持増進及び疾病の予防を目的とした一定の取り組みを行う個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、本人または生計を一にする配偶者その他親族に掛かる一定のスイッチOTC医薬品の購入費を支払った場合で、その年中に支払った金額が12,000円を超える部分の金額(上限88,000円)について、総所得金額などから控除することができる。

控除額 = 支出した金額 – 12,000円

OTC(Over The Counter)は、カウンター越しのこと。ドラックストア等で販売されている薬のことをOTC薬という。

スイッチOTC薬は、もともとは医師の判断でしか使用することができなかった医薬品が、OTC薬として販売が許可されたもののこと。

健康の維持増進及び疾病の予防を目的とした一定の取り組みは、特定健康診断、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診などがある。この特例を受ける場合には、現在の医療費控除を受けることができない。

納税者本人は、一定の取り組みが要件となるけれど、同一生計親族には、この要件がない。

雑損控除

雑損控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族が保有する住宅、家財、現金などについて、災害、盗難、横領によって損失が生じた場合に適用できる。生活に通常必要ではない者は対象外になる。

控除額は、次のうちいずれか大きい金額になる。

控除額 = 損失額 – 課税標準の合計 × 10%
控除額 = 災害関連支出額 – 5万円

損失が生じた年に控除しきれなかった金額は、翌年以降3年間にわたり繰り越すことができる。

寄付金控除

寄付金控除は、特定寄付金を支出した場合に適用できる。

控除額 = 支出寄付金 – 2,000円


特定寄付金は、国や地方公共団体への寄付金、一定の公共法人などへの寄付金のこと。

医療費控除雑損控除寄付金控除は、確定申告をして控除を受ける必要がある。

ファイナンシャル・プランニングと関連法規

ファイナンシャル・プランニングと関連法規

ファイナンシャル・プランニングの業務は、法律分野税務分野金融分野保険分野など様々な分野がある。

弁護士税理士金融商品取扱業者保険募集人など、資格を持った専門家でなければできない業務があるため、これに抵触しないように注意するよ。

具体的には、次のような禁止事項がある。


  • 弁護士資格を持たないファイナンシャル・プランナーは、具体的な法律判断法律事務を行ってはならない。
  • 税理士資格を持たないファイナンシャル・プランナーは、具体的な税務相談税務書類の作成を行ってはならない。
  • 金融商品取扱業者の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーは、投資判断の助言や顧客資産の運用を行ってはならない。
  • 保険募集人の資格を持たないファイナンシャル・プランナーは、保険の募集勧誘を行ってはならない。

ファイナンシャル・プランニングと倫理

ファイナンシャル・プランニングと倫理

ファイナンシャル・プランニングは、ライフプランを実現するため、資金計画を立てること。

ファイナンシャル・プランナーは、ファイナンシャル・プランニングを行う専門家のこと。

ファイナンシャル・プランナーが守るべきルールには、次のようなものがある。


顧客の利益優先 顧客の立場に立って、顧客の利益を優先するような計画を立てる。
ただし、顧客の知識が誤っていた場合には、それを修正するようにする。
秘密の保持 顧客から得た個人情報を、顧客の許可なく第三者に漏らしてはならない。
ただし、業務を行うにあたって必要な場合は、顧客の許可を得て、第三者に伝えるようにする。

ローンとカード

クレジットカード

クレジットカードは、利用者の信用に基づいて、代金後払いで商品を購入したり、サービスを受けたりできるもの。

クレジットカードの支払方法には、次のようなものがある。


支払方法 詳細
一括払い 1か月分の利用料を一括して支払うこと。手数料は掛からない。

ボーナス時に一括して支払う、ボーナス一括払いという方法もある。

分割払い 代金を何回かに分けて支払うこと。手数料が掛かる。
リボルビング払い 利用限度額を設定して、毎月一定額を支払うこと。手数料が掛かる。
リボルビング払いの手数料の支払方式には、ウィズイン方式ウィズアウト方式がある。

ウィズイン方式は、月々の支払額の中に、手数料を含めて請求するもの。

ウィズアウト方式は、月々の返済額に、手数料を上乗せして請求するもの。

カードローンとキャッシング

総量規制により、貸金業者からの借入れは、年収の1/3までとなっている。


総量規制は、消費者が過剰な借入れをしないようにするためのもの。

住宅ローン、自動車ローン、銀行のカードローンは対象外になる。

ライフプラン策定上の資金計画

住宅ローンの金利

住宅ローンの金利には、次のようなものがある。




固定金利型

固定金利型


ローン申込時またはローンの実行時の金利が、返済終了まで変わらず適用されるもの。



変動金利型

変動金利型


市場の金利の変動に応じて金利が変動するもの。



金利の見直しは半年ごとに、返済額の見直しは5年ごとに行われる。

金利が上昇して返済額が増加する場合、これまでの返済額の1.25倍が上限となる。



固定金利選択型

固定金利選択型


返済期間の最初の期間は固定金利で、その後は固定金利か変動金利かを選択できるもの。


固定金利期間が長いほど、固定金利期間の金利は高くなる。

住宅ローンの返済

住宅ローンの返済方法には、次のようなものがある。




元利均等返済

元利均等返済


毎回の返済額が一定のもの。


返済期間の最初は利息の部分が大きく、徐々に元金の部分が増えていく。

返済期間中に返済額は変わらない。



元金均等返済

元金均等返済


毎回の返済額のうち、元金が一定のもの。


返済期間の最初は利息の部分が大きく、徐々に利息の部分が減っていく。

返済期間が経過するにつれて、返済額が減っていく。

返済期間が同じ場合、元金均等返済の方が返済額が少なくなる。

住宅ローンの繰り上げ返済

繰り上げ返済は、通常の返済以外に、一部または全部を返済すること。次のようなものがある。




返済期間短縮型

返済期間短縮型


毎回の返済額を変えずに、返済期間を短縮する。利息の軽減効果が大きい。



返済額軽減型

返済額軽減型


返済期間を変えずに、毎回の返済額を減らす。

住宅ローンの種類

住宅ローンには、次のようなものがある。



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財形住宅融資

財形貯蓄を行っていて、一定の条件を満たしている場合、融資を受けることができる公的なローンのこと。

一定の条件には、1年以上継続して積立をしている、財形貯蓄残高が50万円以上あるなどがある。


財形貯蓄は、従業員が勤務先を通じて、給与から天引きで積み立てるもの。一般財形貯蓄住宅財形貯蓄年金財形貯蓄などの種類がある。

融資金額は、一般財形貯蓄、住宅財形貯蓄、年金財形貯蓄の合計の10倍以内で、購入価格の90%以内になる。

適用金利は固定金利で、5年ごとに金利の見直しを行うよ。


特徴 一般財形貯蓄 財形住宅貯蓄 財形年金貯蓄
積立の目的 自由住宅取得・増改築 60歳以降の5年以上の期間にわたって年金を受け取ること
契約時の年齢制限 なし55歳以上55歳未満
積立期間 3年以上5年以上5年以上
非課税枠 なしありあり

5年以上の積立期間があれば、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合わせて550万円までの利子が非課税になる。

目的払出しの場合、5年未満でも非課税になる。目的払出しは、住宅取得・増改築のための払出しのこと。

災害などにより被害を受けた場合や、医療費が年間200万円を超える場合、5年未満でも非課税になる。




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フラット35

民間の金融機関と住宅金融支援機構が連携して行っている、長期固定金利型の住宅ローンのこと。


申込者 申込日に70歳未満で、次の基準を満たしている人
  • 年収400万円未満の場合:年収に対する全ての借入の年間合計返済額の割合が30%以下
  • 年収400万円以上の場合:年収に対する全ての借入の年間合計返済額の割合が35%以下
資金用途 申込者または親族が住むための新築住宅の購入資金、または中古在宅の購入資金
対象の住宅 購入価格が1億円以下で、床面積が一戸建ての場合は70m2以上(マンションの場合は30m2以上
融資金額 最高8,000万円で、購入価格の100%(融資割合が90%の時は高金利)
適用金利 固定金利
保証人・保証料 不要
繰上返済 手数料は無料(窓口の場合は100万円以上、インターネットの場合は10万円以上から可能)

こども保険

こども保険は、子供の金融資金を準備するための保険商品のこと。学資保険ともいう。

親が死亡した場合や、高度障害になった場合、以降の保険料を支払わなくても満期保険金入学祝い金を受け取ることができる。

親の死亡後、保険期間終了時まで年金が支払われるものもある。この年金のことを育英年金という。


生命保険会社損害保険会社で販売されている。

教育ローン

教育ローンは、公的ローン民間ローンがある。 公的ローンには、教育一般貸付がある。


融資限度額 学生1人につき最高350万円
融資金利 固定金利
融資期限 最長15年
融資元 日本政策金融公庫
その他 世帯の年収制限がある

世帯の年収制限は、子供の数によって異なるよ。

奨学金制度

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貸与型

日本学生支援機構が行う奨学金制度には、無利息の第1種奨学金と利息付の第2種奨学金がある。

国が行う教育ローンと比較すると、次のようになるよ。


特徴 教育一般貸付 日本学生支援機構の奨学金(第1種・第2種)
貸与対象者 保護者(一定の場合には本人でも可) 学生本人
申込時期 いつでも可能 募集期間内のみ
貸与金額 学生1人につき最高350万円の一括貸与 区分によって異なり、月々定額の貸与
成績要件 なし あり(ただし、住民税非課税世帯の場合はなし)
返済期限 最長15年 割賦方法や金額によって異なる
利息 在籍期間中は利息のみの返済とすることができる 第1種奨学金:無利息
第2種奨学金:年利3%を上限とする利息付(在籍中は無利息)
対象となる
学校
修業年限が原則として6ヶ月以上で、中学校卒業以上の人を対象とする教育施設 大学院、大学(学部)、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)

日本学生支援機構の奨学金(第1種・第2種)の利用要件には、親の所得金額による基準が設けられている。

教育一般貸付と、日本学生支援機構の奨学金(第1種・第2種)を併用をすることができる。




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給付型

平成30年度進学者から実施される、返済不要の奨学金制度のこと。

給付額は月に2万円~4万円で、親の所得金額に係る基準が設けられている。

リタイアメントプランニング

リタイアメントプランニングは、老後の生活を計画すること。

老後の主な資金源は退職金年金貯蓄になる。

それ以外で収入を得る手段には、次のようなものがある。


資産運用

老後の資産運用は、収益性より安全性流動性を重視するべきだよ。

高齢者雇用安定法

高年齢者が年金受給開始年齢まで働き続けられるようにするための法律のこと。

高齢者雇用安定法により、定年を定める場合、定年は原則として60歳を下回ることはできない。

また、65歳未満の定年の定めがある場合、65歳までの安定した雇用を確保するため、次のいずれかを講じなければならないよ。


  • 定年の引き上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 定年の定めの廃止
リバースモーゲージ

自宅を担保に融資を受け、自宅を死亡後に売却して、借入金を返済するもの。

中小企業の資金調達

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直接金融

資金の借手と貸手の間に金融機関が存在しないもの。

例えば、企業が株式や社債を発行して、必要な資金を受け取る際に用いられる。

直接金融には、次のような種類があるよ。


調達方法 詳細
株式の発行 企業が株式を発行して、それを投資家に買ってもらう。

  • 株主割当増資
    新株を引き受ける権利を、既存の株主に割り当てる。
  • 第三者割当増資
    新株を引き受ける権利を既存の株主に限定せず、特定の第三者に割り当てる。
  • 公募投資
    新株の発行に際して、広く一般から株主を募集する。
私募債の発行 50人未満の投資家に対して債券を発行して、それを投資家に買ってもらう。

  • 特定社債保障制度
    中小企業が発行する社債を、指定の金融機関が引き受ける際、信用保証協会が保証する。



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間接金融

金融機関から資金を借り入れること。融資ともいう。

間接金融には、次のようなものがある。


調達方法 詳細
証書貸付 企業が金融機関から融資を受ける際に、借用証書を用いて行うもの。
手形貸付 企業が金融機関から融資を受ける際に、手形をを用いて行うもの。
当座貸越 企業が金融機関と契約を結ぶことで、当座預金残高を超えて、資金の引き出しができるもの。
インパクトローン 資金の使い道に制限のない、外貨建ての融資のこと。
ABL
(Asset Based Lending)
企業が売掛金などの債権や在庫など、流動性の高い資産を担保として、金融機関から融資を受けるもの。



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その他の資金調達方法

ファクタリングは、企業が所有する売掛債権を金融機関が買い取り、金融機関が債権の回収を代行するもの。

中小企業の資金調達

金融機関が企業に融資をする際、企業の財務状況により融資額を決定する。

財務諸表は、企業の財政状況や経営成績を表すもの。決算書ともいい、次のようなものがある。


損益計算書
損益計算書

損益計算書は、一会計期間における企業の収益費用を記載した書類。

下のようにすると、各計算式を覚えやすいよ。



売上高 粗利益 営業利益 経常利益 当期純利益

売上総利益は、売上高から売上原価を引いたもの。粗利益ともいうよ。

売上総利益=売上高-売上原価


売上原価は、商品を作る、または仕入れるために必要な費用のこと。



営業利益は、売上総利益から、販管費を引いたもの。

営業利益=売上総利益-販管費


販管費は、販売費及び一般管理費のこと。

販売費は、商品の販売やサービスの提供などに必要な経費のこと。

一般管理費は、販売と直接関係のない業務に必要な経費のこと。



経常利益は、営業利益に営業外の収益を加え、営業外の費用を差し引いたもの。

経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用


営業外収益は、企業の本業以外の活動により発生した経常的な利益のこと。

営業外費用は、企業の本業以外の活動により発生した経常的な費用のこと。



税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いたもの。次の式で求めることができる。

税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失


特別利益は、特別な要因により発生した臨時的な利益のこと。

特別損失は、特別な要因により発生した臨時的な損失のこと。



当期純利益は、企業が1年間に生み出した利益のこと。これが最終的な経営成績となる。

当期純利益=税引前当期純利益-法人税等


キャシュフロー計算書
営業活動 企業の本業に関するお金の増減を記載。
投資活動 固定資産の取得や売却、資金運用に関するお金の増減を記載。
財務活動 資金調達借入金返済に関するお金の増減を記載。

キャシュフロー計算書は、一会計期間におけるお金の流れを記載した書類。

営業活動投資活動財務活動の3つに分けてお金の増減を記載するよ。

    
賃借対照表
賃借対照表

賃借対照表は、ある時点における企業の資産負債純資産を記載した書類。

資産は、企業が保有する全ての資金のこと。

負債は、銀行から借りたお金など返済する必要のある資金のこと。他人資本ともいうよ。

純資産は、資産から負債を差し引いたもので、返済する必要のないの資金のこと。自己資本ともいい、この部分が会社の利益になる。

財務分析

財務諸表を用いて、企業の安全性や収益性などの財務分析をすることができる。

主に、次のような指標があるよ。


流動比率 流動負債に対する流動資産の割合を表すもの。次の式で求めることができる。

流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

この値が大きいほど、企業の短期支払能力は高くなる。200%以上の場合は安全だけれども、100%以下の場合は危険な状態にあるよ。


流動資産は、1年以内に現金化する資産のこと。現預金、売掛金、受取手形、前払金、前渡金、棚卸資産がこれに当たるよ。

流動負債は、1年以内に支払期限を迎える負債のこと。買掛金、支払手形、未払費用、短期借入金がこれに当たるよ。

当座比率 流動負債に対する当座資産の割合を表すもの。次の式で求めることができる。

当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

この値が大きいほど、企業の短期支払能力は高くなる。100%以上の場合は安全だけれども、100%未満の場合は危険な状態にあるよ。


当座比率は、流動比率よりもさらに短期の支払能力を表す。当座比率が高いほど、企業が直ちに負債を支払える状態にあると言えるよ。

当座資産は、流動資産のうち、短期間で現金化できる資産のこと。現金、預金、売掛金、受取手形、有価証券がこれに当たる。

固定比率 固定資産に対する純資産の割合を表すもの。次の式で求めることができる。

当座比率(%)= 固定資産 ÷ 純資産 × 100

この値が小さいほど、企業の長期的な安定性は高くなる。100%以下の場合は安全だけれども、100%超えの場合は危険な状態にあるよ。


固定資産は、1年以上保有または使用される資産のこと。土地、建物、機械、車両、器具特、許権、商標権、のれんがこれに当たる。

自己資本
比率
資産全体に対する自己資本の割合を表すもの。次の式で求めることができる。

自己資本比率(%)= 純資産 ÷(負債 + 純資産)× 100

この値が大きいほど、企業の長期的な安定性は高くなる。40%以上の場合は安全だけれども、20%未満の場合は危険な状態にあるよ。
自己資本
利益率
自己資本に対してどれだけの利益を生み出したかを表すもの。企業の収益性を測る指標になる。次の式で求めることができる。

自己資本利益率(%)= 利益 ÷ 自己資本 × 100

この値が大きいほど、自己資本が効果的に使われている。10~20%以上の場合は投資家にとって魅力的だけれども、10%未満の場合は改善の余地があるよ。


自己資本利益率は、ROE(Return on Equity)ともいうよ。

年金と税金

公的年金の税金

国民年金や厚生年金の保険料を支払ったとき、支払額の全額が社会保険料控除の対象になる。

老齢基礎年金や老齢厚生年金など老齢給付を受け取ったときは、雑所得として課税され、公的年金等控除が適用される。


障害給付や遺族給付は非課税となるよ。

公的年金

公的年金の全体像

年金制度には、強制加入の公的年金と、任意加入の私的年金がある。

日本の公的年金制度は、国民年金を基礎年金とした2階建ての構造になっている。

1階は20歳以上60歳未満の全ての人が加入する国民年金、2階は会社員などが加入する厚生年金になっている。


2階 国民年金基金 厚生年金
1階 国民年金(基礎年金)
対象者 自営業者や学生など
第1号被保険者
会社員や公務員など
第2号被保険者
会社員や公務員の妻など
第3号被保険者

例えば、会社員の場合、国民年金と厚生年金の両方から給付を受けることができる。



公的年金の給付には、次のようなものがある。


給付内容 国民年金 厚生年金
老齢給付 老齢基礎年金 老齢厚生年金
障害給付 障害基礎年金(1級、2級) 障害厚生年金(1級~3級)、障害手当金
遺族給付 遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金 遺族厚生年金

老齢給付は、ある年齢に達した場合に、引退後の生活支援のために支給される年金のこと。

障害給付は、障害を負った場合に、生活支援のために支給される年金のこと。

遺族給付は、被保険者が死亡した場合、遺族の生活保障のために支給される年金のこと。

国民年金の被保険者

国民年金の被保険者は、次のようなものがある。


第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
対象者 自営業者、学生、無職の人会社員や公務員(厚生年金や共済年金の加入者)第2号被保険者の被扶養配偶者
年齢 20歳以上60歳未満なし20歳以上60歳未満
国内居住要件 ありなしなし

第2号被保険者は、老齢年金の受給権者となった場合、第2号被保険者の資格を失う。

国民年金の被保険者に国籍要件はない。一定の条件を満たせば、外国籍の人も国民年金に加入できる。

国民年金の任意加入被保険者

国民年金は加入義務がないけれど、任意で加入する任意加入被保険者もある。

次の要件を満たす人は、国民年金の任意加入被保険者になることができるよ。


  • 国内に住所がある60歳以上65歳未満の人
  • 国内に住所がある20歳以上60歳未満の人で、厚生年金の老齢給付を受けることができる人
  • 日本国籍を有する人で、国内に住所がない20歳以上65歳未満の人

任意加入は必須ではなく、あくまで個人の選択になる。任意加入の手続きは、日本年金機構を通じて行う。

任意加入被保険者になることで、未納期間を埋めたり、受給資格を得ることができるよ。

国民年金と厚生年金の保険料

国民年金と厚生年金の保険料は、次のようになる。


第1号被保険者

国民年金保険料は、2025年の場合、月額17,510円になる。

世帯主や配偶者には、国民年金保険料を滞納した場合に一緒に支払う責任があるよ。

第2号被保険者

厚生年金保険料に国民年金保険料も含まれるので、国民年金保険料を別途収める必要はない。

毎月の保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率
賞与の保険料 = 標準賞与額 × 保険料率


標準報酬月額標準賞与額は、保険料計算の基礎になるもの。

標準報酬月額の上限は、2024年の場合、62万になる。2025年に75万円に引き上げられる予定だよ。

標準賞与額の上限は、7回の支払いにつき150万円になる。

保険料率は、2025年の場合、18.3%になる。

保険料は、事業主と従業員が半分ずつ負担する。

育児休業中と産休期間中の保険料は、子が3歳になるまで免除される。

第3号被保険者

保険料の負担はなしになる。

保険料の納付期限

保険料の納付期限は、原則として翌月末日までとなる。

例外として、口座振替の場合は翌月末日に引き落としで、前納の場合は6カ月前1年前2年前に納めることができる。


口座振替は銀行口座から保険料が引き落とされるもので、前納は保険料を期限前にまとめて支払うものになる。 口座振替や前納の場合、保険料の割引がある。

保険料を滞納した場合、現在では2年以内の分しか後から支払うことができない。

ただし、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、5年以内の分を支払うことができたよ。

保険料の免除と猶予

第1号被保険者について、保険料の納付が困難な人のために、保険料の免除猶予の制度がある。


免除・猶予 対象者 詳細
法定免除 障害年金を受給している人や、生活保護法の生活扶助を受けている人になる。届け出があれば保険料の全額が免除される。
申請免除 失業など経済的な理由で保険料を納付することが困難な人になる。申請して認められた場合、保険料の全額3/4半額1/4が免除される。
学生納付
特例制度
第1号被保険者で、本人の所得が一定以下の学生になる。申請によって、保険料の納付が猶予される。
50歳未満納付
猶予制度
50歳未満の第1号被保険者で、本人と配偶者の所得が一定以下の人になる。申請によって、保険料の納付が猶予される。

保険料の免除または猶予を受けた期間については、10年以内ならば追納をすることができる。

追納は、後からある期間の保険料を支払うこと。


公的年金の給付手続き

公的年金を受給するには、まず受有者が受給権があるかを国に確認する。これを裁定という。

その後、支給年齢到達日の3か月前に、日本年金機構から年金請求書が送付されるので、支給年齢到達日以降に、年金請求書を用いて手続きを行う。

手続き先は、加入していた年金制度によって異なるよ。


加入していた年金制度 手続先
国民年金のみ第1号被保険者として加入 住所地の市区町村役場
厚生年金のみ加入 最後の勤務先を管轄する年金事務所
厚生年金と国民年金に加入して、最後が厚生年金の場合 住所地を管轄する年金事務所
共済年金に加入 各共済組合

年金は、受給権が発生した月の翌月から、受給権が消滅した月まで支給される。

原則として、偶数月の各15日に、前月までの2か月分が支払われる。

共済年金は、公務員、地方自治体職員、私立学校職員を対象とした年金制度のこと。現在では、共済年金は廃止されて、厚生年金に統一されている。

ただし、過去に共済年金に加入していた期間については、その分が年金額に反映される。

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上の人が、65歳になった時から受け取ることができるもの。

受給資格期間と老齢基礎年金額は、それぞれ次の式で求めることができる。

受給資格期間 = 保険料納付済期間 + 保険料免除期間 + 合算対象期間
老齢基礎年金額 = 69,308円 × 改定率


69,308円は2025年の場合で、年度によって異なる。改定率も、年度によって異なるよ。

保険料免除期間は、第1号被保険者で保険料の納付を免除された期間のこと。

合算対象期間は、受給資格期間には反映されるけれど、実際の年金額には反映されない期間のこと。

満額の老齢基礎年金は、1円単位ではなく、50円単位で切り上げや切り捨てをする。




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免除期間

免除期間がある場合、上記の金額より安くなる。

老齢基礎年金額 = ① + ②

①平成21年3月までの期間分
満期の年金額 ×(保険料納付済月数 + 全額免除月数 × 1/3 + 3/4免除月数 × 1/2 + 半額免除月数 × 2/3 + 1/4免除月数 × 5/6)÷ 480

②平成21年4月以降の期間分
満期の年金額 ×(保険料納付済月数 + 全額免除月数 × 1/2 + 3/4免除月数 × 1/2 + 半額免除月数 × 2/3 + 1/4免除月数 × 5/6)÷ 480


40年に12カ月を掛けた480で割り算をしている。

免除期間は、法定免除期間申請免除期間になる。

合算対象期間学生納付特例期間50歳未満納付猶予期間は年金額に反映されないよ。




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繰り上げ受給・繰り下げ受給

老齢基礎年金の受給開始年齢は65歳からだけれども、繰り上げ受給繰り下げ受給をすることもできる。

繰り上げ受給は、60歳から64歳までのうちに、年金の受け取りを開始すること。繰り上げた月数に0.5%を掛けた額が減算される。

繰り下げ受給は、66歳から70歳までのうちに、年金の受け取りを開始すること。繰り下げた月数に0.7%を掛けた額が加算される。




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付加年金

付加年金は、月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付することにより、次の額を老齢基礎年金に加算できるもの。

付加年金 = 200円 × 付加年金保険料の納付期間


付加年金は、第1号被保険者のみの制度になる。

付加年金と、国民年金基金の併用はできない。

付加年金と、個人型確定拠出年金(iDeco)の併用はできる。

老齢厚生年金

老齢厚生年金は、60歳から64歳までの特別支給の老齢厚生年金と、65歳以上の老齢厚生年金がある。

特別支給の老齢厚生年金は、定額部分報酬比例部分に分かれる。


定額部分は、加入期間に応じた金額のこと。

報酬比例部分は、在職時の報酬に比例した金額のこと。



老齢厚生年金の受給要件は、次のようになる。


特別支給の老齢厚生年金 老齢厚生年金
支給内容 報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分経過的加算
老齢基礎年金
受給開始年齢 60歳以上65歳未満65歳以上
受給資格 老齢基礎年金の受給資格期間である10年以上を満たしていること
厚生年金の加入期間が1年以上厚生年金の加入期間が1か月以上

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日によって段階的に引き上げられ、最終的には65歳からの老齢厚生年金のみになる。

60歳から受給できていた年金が、最終的には65歳からの受給に統一されるよ。

支給開始年齢は男性と女性で異なり、女性は男性よりも5年遅れて引き上げられる。


性別 特別支給の老齢厚生年金 老齢厚生年金
男性 女性 60~61歳 61~62歳 62~63歳 63~64歳 64~65歳 65歳以降
~昭和16年4月1日生 ~昭和21年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分老齢基礎年金
昭和16年4月2日~昭和18年4月1日生 昭和21年4月2日~昭和23年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分老齢基礎年金
昭和18年4月2日~昭和20年4月1日生 昭和23年4月2日~昭和25年4月1日生報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分老齢基礎年金
昭和20年4月2日~昭和22年4月1日生 昭和25年4月2日~昭和27年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分老齢基礎年金
昭和22年4月2日~昭和24年4月1日生 昭和27年4月2日~昭和29年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
定額部分老齢基礎年金
昭和24年4月2日~昭和28年4月1日生 昭和29年4月2日~昭和33年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
老齢基礎年金
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日生 昭和33年4月2日~昭和35年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
老齢基礎年金
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日生 昭和35年4月2日~昭和37年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
老齢基礎年金
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生 昭和37年4月2日~昭和39年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
老齢基礎年金
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生 昭和39年4月2日~昭和41年4月1日生 報酬比例部分老齢厚生年金
老齢基礎年金
昭和36年4月2日生~ 昭和41年4月2日生~ 老齢厚生年金
老齢基礎年金

昭和60年の年金制度改正により、老齢厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられることになった。

しかし、いきなり65歳に引き上げると、60歳から受給を予定していた人に大きな影響が出てしまう。そのため、段階的に引き上げるために、特別支給の老齢厚生年金が設けられたよ。

特別支給の老齢厚生年金の特例

特別支給の老齢厚生年金は、生年月日に応じて支給開始年齢が引き上げられる。

しかし、次の要件に該当する人は、生年月日に関係なく、特別支給の老齢厚生年金が支払われるよ。


障害者の特例
  • 厚生年金の被保険者期間が1年以上あること
  • 現在、厚生年金の被保険者ではないこと
  • 障害等級1級から3級に該当する障害があること
長期加入者の特例
  • 現在、厚生年金の被保険者ではないこと
  • 厚生年金の被保険者期間が44年以上あること

特別支給の老齢厚生年金の年金額

特別支給の老齢厚生年金について、報酬比例部分と定額部分の年金額は、次のように算出する。

報酬比例部分 = A + B

A = 平均標準報酬月額 × 7.125 ÷ 1000 × 平成15年3月以前の被保険者期間の月数
B = 平均標準報酬月額 × 5.481 ÷ 1000 × 平成15年4月以前の被保険者期間の月数


Aの平均標準報酬月額は、平成15年3月以前の厚生年金保険期間における平均月収額になる。

Bの平均標準報酬月額は、平成15年4月以前の厚生年金保険期間における平均月収額になる。これは賞与を含むよ。



定額部分 = 1,656円 × 被保険者期間の月数


被保険者期間の月数の上限は、480月となる。

65歳からの老齢厚生年金の年金額

65歳からは、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分が老齢厚生年金、定額部分が老齢基礎年金として支給される。


特別支給の老齢厚生年金 老齢厚生年金
65歳未満 65歳以上 詳細
報酬比例部分 老齢厚生年金報酬比例部分の計算式と同じになる。
定額部分経過的加算当面の減少部分を補てんする。
老齢基礎年金定額部分の計算式と異なり、被保険者期間に基づく。


65歳からの老齢基礎年金は、定額部分よりも低い金額になる。

そのため、減少額を補てんするため経過的加算という調整が行われる。

経過的加算額 = A – B

A = 1,656円 × 被保険者期間の月数
B = 794,107円 × 昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金の被保険者月数 ÷ 480月


老齢厚生年金の繰上げ受給・繰下げ受給

老齢厚生年金の受給開始年齢は、原則として65歳だけれども、繰上げ受給繰下げ受給もできるよ。

繰上げ受給は、60歳から64歳までのうちに、年金の受け取りを開始すること。繰り上げた月数に0.5%を掛けた額が減算される。

繰下げ受給は、66歳から70歳までのうちに、年金の受け取りを開始すること。繰り下げた月数に0.7%を掛けた額が加算される。在職老齢年金で減額がある場合は、減額後の年金額に0.7%を掛ける。


繰上げ受給の年金減少率は最大30%、繰下げ受給の年金増加率は最大42%になる。

老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金の繰上げと同時に行わなければならない。

老齢厚生年金の繰下げは、老齢基礎年金の繰下げと別々に行うことができるよ。

老齢厚生年金の加給年金

加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、その人によって生計を維持されている配偶者または子がいる場合に支給されるもの。年金の家族手当のようなものになる。


受給要件 受給額
配偶者 65歳未満であること。234,800円
18歳になって最初の3月31日まで、または障害等級が1、2級で20歳未満であること。第1子と第2子は各234,800円、第3子以降は各78,300円

老齢厚生年金の受給権者が昭和9年4月2日以降生まれの場合は、配偶者の加給年金額に特別加算がある。特別加算額は、生年月日に応じて異なるよ。

加給年金は、配偶者が65歳に到達すると支給が停止される。その代わりに、配偶者の生年月日に応じた金額が、配偶者の老齢基礎年金に加算される。これを振替加算という。

例えば、昭和30年5月15日生まれの夫と、年下の妻がいるとする。妻が65歳になって、老齢基礎年金を受け取れるようになったら、夫の加給年金は加算されず、妻の年金に加算される。

在職老齢年金

在職老齢年金は、60歳以降も厚生年金の加入者として働く場合の老齢厚生年金のこと。

60歳以降に会社から受け取る給与の金額に応じて、老齢厚生年金の額が減額される。

減額される年金額は、年齢によって異なる。

基本月額 = 老齢厚生年金額 ÷ 12カ月

総報酬月額相当額 = その月の標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額 ÷ 12カ月




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60歳~64歳

基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円以下の場合、全額が支給される。

基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超える場合、一部が支給停止になる。




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65歳~69歳

基本月額と総報酬月額相当額の合計が51万円以下の場合、全額が支給される。

基本月額と総報酬月額相当額の合計が51万円を超える場合、51万円を超える額の半分が支給停止になる。


支給停止になるのは、老齢厚生年金の部分で、老齢基礎年金の部分は全額支給される。




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70歳以上

65歳~69歳の場合と同じになる。


70歳以降は、在職中でも厚生年金の被保険者とならないので、年金保険料の負担はなくなる。

離婚時の年金分割

平成19年4月以降に離婚した場合、夫婦間の合意または裁判所の決定があれば、離婚期間中の夫婦の厚生年金の報酬比例部分を分割することができる。

分割割合は夫婦で決めることができるけれど、上限は半分までとなるよ。

平成20年5月以降に離婚した場合、夫婦間の合意がなくても、平成20年4月以降の第3号被保険者期間について、第2号被保険者の厚生年金の半分を分割することができる。


分割の請求期限は、離婚してから2年以内となる。

元配偶者から分割を受けた厚生年金の保険料納付記録に掛かる期間は、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されない。

障害基礎年金・障害厚生年金

病気や怪我が原因で障害者となり、一定の要件を満たした場合、障害年金や障害手当金を受け取ることができる。



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障害基礎年金

障害基礎年金は1級と2級があり、受給要件と年金額は次のようになる。


受給要件 初診日に国民年金の被保険者であること。または、国民年金の被保険者であった人で、60歳以上65歳未満で、国内に住んでいること。
保険料納付要件 原則:保険料納付済期間と保険料免除期間が全被保険者期間の2/3以上あること。
特例:初診日が平成38年4月1日前の場合、初診日のある月の前々月までの1年間において、保険料の滞納がないこと。ただし、初診日において65歳以上の人を除く。
年金額 1級:1,039,625円 × 1.25 + 子の加算額
2級:831,700円 + 子の加算額

子の加算額は、第1子と第2子は239,300円、第3子以降は79,800円になる。

20歳前の傷病による
障害基礎年金
初診日が20歳未満であった人が、障害認定日または20歳に達した日に、障害等級の1級または2級に該当するとき、障害基礎年金が支給される。

初診日から1年半以前に20歳になった場合は、障害認定日になる。

初診日から1年半以後に20歳になった場合は、20歳に達した日になる。




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障害厚生年金

障害厚生年金は、1級、2級、3級、障害手当があり、受給要件と年金額は次のようになる。


受給要件 初診日に厚生年金の被保険者であること。または、障害認定日に障害等級1級、2級、3級に該当すること。
保険料納付要件 障害基礎年金の場合と同じになる。
年金額 1級:標準報酬月額 × 被保険者期間 × 報酬比例計算係数 × 1.25 + 配偶者加給年金額
2級:標準報酬月額 × 被保険者期間 × 報酬比例計算係数 + 配偶者加給年金額
3級:標準報酬月額 × 被保険者期間 × 報酬比例計算係数
障害手当金 標準報酬月額 × 被保険者期間 × 報酬比例計算係数 × 2

被保険者期間が300月に満たない場合、300月として計算する。

3級と障害手当金には、最低保証がある。

遺族給付

国民年金に加入している被保険者が死亡した場合、一定の要件を満たすと、遺族に遺族基礎年金が支給される。


受給要件 ①国民年金の被保険者が死亡したとき
②国民年金の被保険者であった人で、国内に住所を有する、60歳以上65歳未満の人が死亡したとき
③老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき
④老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人が死亡したとき

①②の場合、保険料納付要件を満たしている必要がある。

③④の場合、保険料納付済期間保険料免除期間合算対象期間を合計した期間が25年以上ある人が対象になる。

保険料
納付要件
原則:死亡した月の前々月までに被保険者期間がある場合、その期間の保険料納付済期間と保険料免除期間が、全被保険者期間の2/3以上あること。
特例:死亡日が平成38年4月1日前の場合には、死亡月の前々月までの1年間において、保険料の滞納がないこと。ただし、死亡日に65歳以上の人を除く。
受給できる
遺族の範囲
死亡した人に生計を維持されていた、18歳になって最初の3月31日までの子、または18歳になって最初の3月31日までの子のある配偶者になる。

年収は850万円未満でなければならない。

年金額 831,700円 + 子の加算額

子の加算額は、第1子、第2子は各239,300円、第3子は79,800円になる。

寡婦年金・死亡一時金

国民年金の第1号被保険者の独自給付として、寡婦年金死亡一時金がある。

寡婦年金と死亡一時金は、どちらか一方しか受け取ることができない。




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寡婦年金

国民年金の第1号被保険者として、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしている夫が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らずに死亡した場合、妻に支給される年金のこと。


寡婦年金を受給できるのは、夫と10年以上の婚姻期間があり、夫の死亡当時に65歳未満である妻になる。

寡婦年金の受給期間は、妻が60歳から65歳になるまでとなる。

妻が自分の老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合、寡婦年金を受給することはできない。

平成29年8月から老齢基礎年金、老齢厚生年金、寡婦年金については、受給要件である受給資格期間が、25年以上から10年以上に短縮された。遺族基礎年金については変更がなく、25年以上のままになる。




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死亡一時金

国民年金の第1号被保険者として保険料を滞納した期間が合計3年以上ある人が、年金を受け取らずに死亡して、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合に、一定の遺族に支給される年金のこと。


一定の遺族は、死亡した人と生計を共にしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で遺族基礎年金を受給できない人になる。

遺族厚生年金

国民年金の第2号被保険者が死亡した場合で、一定の要件を満たしている時は、遺族は遺族基礎年金に遺族厚生年金を上乗せして受け取ることができる。

遺族厚生年金の受給要件は、次のようになる。



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短期要件

  • 厚生年金の被保険者が死亡したとき
  • 厚生年金の被保険者期間中の傷病が原因で、初診の日から5年以内に死亡したとき
  • 1級、2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき


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長期要件

  • 保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合わせた期間が25年以上ある人で、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たした人が死亡したとき

遺族厚生年金の計算の基礎になる被保険者月数については、短期要件は300月未満は300月とし、長期要件では実加入月で計算する。

給付乗数については、短期要件では生年月日による読み替えがなく、長期要件では生年月日による読み替えがある



受給できる遺族の範囲は、死亡した人に生計を維持されていた妻、夫、子、父、母、孫、祖父、祖母になる。


子、孫の場合、18歳到達年度末まで、または障害等級1、2級で20歳未満であることが求められる。

夫、父、母、祖父、祖母の場合、55歳以上であることが求められる。年金を受給できるのは、60歳からとなる。

夫は遺族基礎年金の受給中に限って、遺族厚生年金も受給できる。

夫の死亡時に、30歳未満で子のない妻の遺族厚生年金の支給期間は5年間となる。



年金額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4相当額になる。


被保険者の加入月数が300月に満たないときは、300月で計算する。

中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算

遺族厚生年金について、一定の遺族には中高齢寡婦加算経過的寡婦加算という加算給付がある。


中高齢寡婦加算

夫の死亡時に、40歳以上60歳未満の子のない妻、または遺族基礎年金を失権している40歳以上60歳未満の子がある妻は、遺族厚生年金に584,500円が加算される。


妻が65歳になると支給が打ち切られるよ。

経過的寡婦加算

中高齢寡婦加算の打ち切りにより、年金が減少する分を補うための制度のこと。

例えば、会社員のAさんが死亡して、その時妻は50歳、子は10歳だった場合、次のようになる。


妻50~58歳
子10~18歳
妻58~65歳
子18~25歳
妻65歳~
子25歳~
遺族厚生年金
遺族基礎年金 中高齢寡婦加算 経過的寡婦加算
老齢基礎年金

子が18歳になると、遺族基礎年金が打ち切られる。

妻が65歳になると、中高齢寡婦加算が打ち切られる。

中高齢寡婦加算について、長期要件に該当する場合、被保険者の加入期間が20年以上なければならない。

併給調整

併給調整は、1人が複数の年金受給者になる場合、いずれか1つの年金を選択しなければならなこと。

1人が複数の年金を受け取ることは、過剰給付になるため、原則1人1年金となる。

ただし、老齢基礎年金と老齢厚生年金など、同じ種類の基礎年金と厚生年金はともに受け取ることができる。

また、老齢基礎年金と遺族厚生年金の併給など、いくつかの例外もある。


老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金
老齢厚生年金 ×
障害厚生年金 ××
遺族厚生年金

〇は同種のため、併給することができる。

△は例外として、65歳以上の場合に併給することができる。

×は併給することができない




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遺族厚生年金との併給調整

65歳以降の遺族厚生年金老齢厚生年金の併給については、次のように調整される。

併給調整後の遺族厚生年金額 = AかBのうち大きい額 – 本人の老齢厚生年金額

A = 遺族厚生年金
B = 遺族厚生年金 × 2/3 + 老齢厚生年金 × 1/2


例えば、妻のAさんは、数年前に夫に先立たれて、現在は遺族厚生年金を50万円受け取っているとする。

Aさんの老齢基礎年金は60万円で、老齢厚生年金は20万円になる。

併給調整後の遺族厚生年金額 = 50万円 – 20万円 = 30万円

A = 50万円
B = 50万円 × 2/3 + 20万円 × 1/2 = 33万円

Aさんが65歳になった時に受け取れる年金額 = 60万円 + 20万円 + 30万円 = 125万円




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雇用保険との併給調整

老齢給付と雇用保険給付の両方が受給できる場合、次のように併給調整を行う。

  • 特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の基本手当
    雇用保険の基本手当を受給している間は、特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止になる。

  • 在職老齢年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付
    在職老齢年金額が標準報酬月額に応じて減額する。

企業年金・個人年金等

企業年金

企業年金は、公的年金を補完することを目的として、企業が任意に設けている私的年金こと。次のようなものがある。



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確定給付型

確定給付型は、将来支払われる年金の額があらかじめ決まっているもの。厚生年金基金確定給付企業年金がある。

厚生年金基金は、老齢厚生年金の給付の一部を国に代わって支給して、さらに企業が独自で上乗せして支給するもの。


税法上、従業員が負担した掛金は社会保険料控除の対象になる。



また、確定給付企業年金は、規約型基金型がある。


規約型は、労使合意の年金規約に基づいて、外部機関に年金資産の管理、運用、給付を任せるもの。

基金型は、新たに基金を設立して、その基金が年金資産の管理、運用、給付を行うもの。

税法上、従業員が負担した掛金は生命保険料控除の対象になる。




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確定拠出型

確定拠出型は、一定の掛金を加入者が拠出・運用して、その運用結果によって年金額が決まるもの。

確定拠出型には、次の確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)がある。


特徴 企業型確定拠出年金 個人型確定拠出年金(iDeco)
加入対象者 60歳未満の第2号被保険者、確定拠出年金導入企業の従業員など。 60歳未満の自営業者、厚生年金保険の被保険者、専業主婦など。
掛金の
拠出限度
確定給付型の年金を実施していない場合:
744,000円 / 年(62,000円 / 月)

規約において個人型年金への加入を認める場合は、
420,000円 / 年(35,000円 / 月)


確定給付型の年金を実施している場合:
372,000円 / 年(31,000円 / 月)

規約において個人型年金への加入を認める場合は、
186,000円 / 年(15,500円 / 月)

自営業者:900,000円 / 年(75,000円 / 月)
公務員 :144,000円 / 年(12,000円 / 月)
専業主婦:276,000円 / 年(23,000円 / 月)

厚生年金保険の被保険者:
確定給付型の年金のみ実施している場合
144,000円 / 年(12,000円 / 月)
他の企業年金のみ実施している場合
240,000円 / 年(20,000円 / 月)
どちらも実施していない場合
300,000円 / 年(25,000円 / 月)

掛金の拠出 原則として事業主になる。

規約に定めがあれば、従業員からの拠出もできる。

ただし、従業員から拠出する場合は、個人型との併用はできない。

個人になる。

平成29年12月までは、掛金の拠出は月払いだけだった。

平成30年1月から、月払い年払い半年払いなどまとめて拠出することもできるようになった。

企業型確定拠出年金は、企業が従業員のために毎月一定額の掛金を拠出する。これは従業員の福利厚生として提供される。これに、従業員が追加で掛金を拠出することができる。この追加分を、マッチング拠出という。

マッチング拠出は、企業の拠出額を超えることができない。例えば、企業が月額10,000円を拠出している場合、従業員のマッチング拠出額も最大10,000円までになる。

ポータビリティは、既に拠出して運用している資産を移転できること。転職や退職の際、既に拠出して運用している資産を、勤務先が変わっても移転することができるよ。長期的な資産運用のために、ポータビリティのある確定拠出年金の選択が求められる。

従業員や個人が拠出した掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となる。

運用中に発生する収益については、非課税になる。


個人年金

個人年金は、公的年金を補完することを目的として、自営業者、会社員、公務員のために設けている私的年金のこと。次のようなものがある。


年金制度 特徴
付加年金 第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するためのもの。

毎月の国民年金保険料に、月額400円を加算して支払うことにより、将来、国民年金の老齢基礎年金に付加年金を加算した金額を受け取ることができる。

付加年金の額 = 200円 × 付加年金保険料を支払った月数
国民年金基金 第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するためのもの。 掛金の拠出限度額は、確定拠出年金の掛金と合算して、月額68,000円になる。


付加年金と国民年金基金の両方には加入できない。

国内に住所を有する60歳から65歳までの国民年金の任意加入被保険者も加入できる。

加入は口数制で、年金の受給内容を1口、2口、3口といった単位で設定する。1口目は終身年金として、2口目以降は終身年金または確定年金から選択するよ。

加入後に自由に脱退することは認められていない。

掛金は全額が社会保険料控除の対象となる。

小規模
企業共済
従業員が20人以下の個人事業主や会社の役員のため退職金制度のこと。掛金は月額1,000円~70,000円になる。


従業員数は、一定の業種を除くサービス業などは5人以下となる。

掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。

中小企業退職金
共済制度
国の援助による中小企業のための退職金制度のこと。 新たに加入する事業主に対して、掛け金の1/2(1人につき上限5,000円)を加入後4カ月目から1年間助成する。

また、掛金を増額(月額18,000円以下)する事業主に対して、増額分の1/3を増額月から1年間助成する。


加入者は、原則として企業の従業員全員となる。役員や個人事業主は加入できない。

事業主の同居親族も使用従属関係があれば加入できる。使用従属関係は、労働者が使用者の指示や命令に従って働く関係のこと。

掛金は全額事業主が負担する。

会社の場合は全額損金に算入、個人事業主の場合は全額経費に計上する。

ライフプランニングの考え方・手法

ライフプランニングの手順

ファイナンシャル・プランナーが顧客に対してライフプランニングを行う場合、次のように行うよ。


  • STEP

    01

    顧客との関係を確立する。

  • STEP

    02

    顧客データを収集して、
    目標を明確化する。

  • STEP

    03

    ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人バランスシートを作成して、現状の問題点を分析する。

  • STEP

    04

    問題点を解決するための
    計画や対策を作る。

  • STEP

    05

    計画や対策の実行を
    支援する。

  • STEP

    06

    計画や対策の見直しを
    定期的に行う。

0 / 06

ライフイベント表

ライフイベント表は、家族のライフイベントと、必要な費用を時系列にまとめたもの。

これを作成することにより、将来の夢や目標を明確にすることができる。


項目 2020年 2022年 2028年 2034年 2037年 2040年 2050年 2055年 2060年 2065年
父の年齢 30歳 32歳 38歳 44歳 47歳 50歳 60歳 65歳 70歳 75歳
母の年齢 28歳 30歳 36歳 42歳 45歳 48歳 58歳 63歳 68歳 73歳
子の年齢 0歳 6歳 12歳 15歳 18歳 28歳 33歳 38歳 43歳
イベント 父と母の
結婚
子の誕生 子の小学校入学 子の中学校入学 子の高校入学 子の大学入学 父の定年退職 母の定年退職 子の結婚 孫の誕生
必要資金 300万円 50万円 30万円 50万円 70万円 400万円 0円 0円 300万円 50万円

キャッシュフロー表

キャッシュフロー表は、ライフイベント表と現在の収支状況をまとめたもの。

これを作成することにより、将来の収支状況と貯蓄残高を明確にすることができる。


項目 2020年 2022年 2028年 2034年 2037年 2040年 2050年 2060年 2065年
父の年齢 30歳 32歳 38歳 44歳 47歳 50歳 60歳 70歳 75歳
母の年齢 28歳 30歳 36歳 42歳 45歳 48歳 58歳 68歳 73歳
子の年齢 0歳 6歳 12歳 15歳 18歳 28歳 38歳 43歳
イベント 父と母の
結婚
子どもの
誕生
子どもの
小学校入学
子どもの
中学校入学
子どもの
高校入学
子どもの
大学入学
父の
定年退職
子の結婚 孫の誕生
収入 600万円 620万円 680万円 720万円 740万円 750万円 400万円 220万円 200万円
生活費 300万円 310万円 330万円 360万円 370万円 380万円 350万円 310万円 320万円
住居費 100万円 100万円 110万円 120万円 120万円 120万円 100万円 90万円 80万円
教育費 50万円 30万円 50万円 70万円 100万円
年間収支 200万円 160万円 210万円 190万円 180万円 150万円 -50万円 -180万円 -200万円
貯蓄残高 500万円 660万円 870万円 1,060万円 1,240万円 1,390万円 1,340万円 970万円 770万円

収入欄は、年収ではなく可処分所得を記入する。

可処分所得は、年収から社会保険料、所得税、住人税を引いた額のこと。

年間収支欄は、収入から支出を引いた額を記入する。

貯蓄残高欄は、前年の貯蓄残高に今年の年間収支を足した額を記入する。

個人バランスシート

個人バランスシートは、ある時点における資産と負債のバランスを見る表のこと。


資産 負債
普通預金 250万円 住宅ローン 3,000万円
定期預金 600万円 その他ローン 50万円
株式など 150万円 負債合計 3,050万円
投資信託 200万円 純資産
生命保険 90万円 純資産合計 2,240万円
資産合計 5,290万円 負債・純資産合計 5,290万円

資産と負債の金額は時価で評価する。

純資産は、資産合計から負債合計を引いた額のこと。

資金計画で用いる係数

資金計画を立てる際、現在の資産が将来にいくらになるか、将来に必要な金額を用意するためにいくら積み立てるか、といったものは次の係数を用いて求めることができる。


係数種別 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9%
終価係数 1.1046 1.2190 1.3439 1.4802 1.6289 1.7909 1.9672 2.1589 2.3674
現価係数 0.9053 0.8204 0.7441 0.6756 0.6145 0.5597 0.5113 0.4688 0.4313
年金終価係数 10.462 11.809 13.146 14.486 15.837 17.201 18.577 19.973 21.388
減債基金係数 0.0944 0.0854 0.0770 0.0691 0.0615 0.0544 0.0478 0.0415 0.0356
資本回収係数 0.1061 0.1127 0.1194 0.1262 0.1332 0.1404 0.1477 0.1553 0.1631
年金減価係数 9.4877 8.7855 8.1550 7.5900 7.0845 6.6337 6.2327 5.8774 5.5643


POINT

01

終価係数


現在の金額を複利で運用した場合の、一定期間後の金額を求めることができる。

例えば、1,000,000円を年利7%で運用した場合、10年後には1,967,200円になる。

1,000,000円 × 1.9672 = 1,967,200円

POINT

02

現価係数


一定期間後に、一定金額に達するために必要な元本を求めることができる。

例えば、1,000,000円を年利7%で10年後に用意するために、元本は511,300円必要になる。

1,000,000円 × 0.5113 = 511,300円

POINT

03

年金終価係数


毎年一定金額を積み立てた場合の、一定期間後の元利合計を求めることができる。

例えば、毎年1,000,000円を年利7%で10年間積み立てた場合、10年後には18,577,000円になる。

1,000,000円 × 18.577 = 18,577,000円

POINT

04

減債基金係数


一定期間後に、一定金額に達するために必要な、毎年の積立額を求めることができる。

例えば、1,000,000円を年利7%で10年後に用意するために、毎年の積立額は47,800円必要になる。

1,000,000円 × 0.0478 = 47,800円

POINT

05

資本回収係数


現在の一定金額を、一定期間で取り崩した場合の毎年の受取額を求めることができる。

例えば、1,000,000円を年利7%で運用しながら10年間で取り崩した場合、毎年の受取額は147,700円になる。

1,000,000円 × 0.1477 = 147,700円

POINT

06

年金減価係数


将来の一定期間で一定金額を受け取るために必要な元本を求めることができる。

例えば、1,000,000円を10年間にわたって受取りたい時、年利7%の場合、元本は6,232,700円必要になる。

1,000,000円 × 6.2327 = 6,232,700円