景気の指標

景気の良し悪しを判断するための指標には、次のようなものがある。


国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)

国内で作った商品やサービスの合計のこと。

国内では、工場が車や家電を作り、お店では料理や洋服が売られている。これらを全てお金に換算したものがGDPになる。

GDPは、沢山の商品やサービスを作った国は高くなり、あまり商品やサービスを作っていない国は低くなるよ。

GDPは、内閣府が年に4回発表している。



GDPは生産面分配面支出面から見ることができ、生産 = 分配 = 支出となる。これを三面等価の原則という。


  • 生産面から見たGDP:国内で生産された全ての商品やサービスのこと。
  • 分配面から見たGDP:商品やサービス生産して得た収入をどのように分配したか。
  • 支出面から見たGDP:商品やサービスがどのように消費されたか。

この3つの視点から見たGDPは同じ金額になる。 生産面から見ればどれだけの価値を生み出したか、分配面から見ればその生み出された価値がどのように分けられたか、支出面から見ればその価値がどのように使われたかが分かるよ。



支出面から見たGDPは、次のようになるよ。

支出面から見たGDP

最も大きい項目は民間最終消費支出で、50~60%を占める。

次に大きい項目は政府最終消費支出で、15~20%を占める。

経済成長率
1年間にどのくらい経済が成長したかを表すもの。

国全体で、昨年よりお金を稼いでいると経済成長率が高くなり、昨年よりお金を稼いでいないと経済成長率が低くなる。


経済成長率は、実質GDPの伸び率を表している。

名目GDPは、GDPを時価で評価したもの。

実質GDPは、名目GDPから物価変動の影響を取り除いたもの。

景気動向指数

内閣府が毎月発表している、景気の状況を表したもの。

次の29の指標を統合したもので、総合的に景気の状況を見ることができるよ。


先行系列 最終需要財在庫率指数 最終需要財の在庫がどれだけあるかを表すもの。
鉱工業生産財在庫率指数 鉱工業生産品の在庫の割合を表すもの。
新規求人数 労働市場の需要を表すもの。
実質機械受注 企業の設備投資意欲を表すもの。
新設住宅着工床面積 新たに着工された住宅の床面積を表すもの。
消費者態度指数 消費者の購買意欲や経済状況に対する見方を表すもの。
日経商品指数 商品市場の動向を表すもの。
マネーストック 経済全体に流通している通貨量を表すもの。
東証株価指数 東京証券取引所の株価の動向を表すもの。
投資環境指数 投資家が投資を行う際の環境を表すもの。
中小企業売上げ見通しDI 中小企業の売上げの見通しを表すもの。
一致系列 生産指標 生産活動の状況を表すもの。
鉱工業生産財出荷指数 鉱工業生産品の出荷の状況を表すもの。
耐久消費財出荷指数 耐久消費財の出荷の状況を表すもの。
所定労働時間指数 所定労働時間の状況を表すもの。
投資財出荷指数 投資財の出荷の状況を表すもの。
商業販売額(小売業) 小売業の販売額の状況を表すもの。
商業販売額(卸売業) 卸売業の販売額の状況を表すもの。
営業利益 企業の営業利益の状況を表すもの。
有効求人倍率 有効求人倍率の状況を表すもの。
遅行系列 第3次産業活動指数 第3次産業の活動の状況を表すもの。
常用雇用指数 常用雇用の状況を表すもの。
実質法人企業設備投資 企業の設備投資の状況を表すもの。
家計消費支出 家計の消費支出の状況を表すもの。
法人税収入 法人税収入の状況を表すもの。
完全失業率 完全失業率の状況を表すもの。
きまって支給する給与 きまって支給される給与の状況を表すもの。
消費者物価指数 消費者物価指数の状況を表すもの。
最終需要財在庫指数 最終需要財の在庫の状況を表すもの。

先行系列は、景気に先行して動く指標のこと。

一致系列は、景気とほぼ一致して動く指標のこと。

遅行系列は、景気に遅行して動く指標のこと。



また、景気動向指数には次の2つがある。




CI(Composite Indexes)

CI(Composite Indexes)


景気の速さ大きさを表したもの。

経済の天気予報のようなものになる。


  • 上昇している場合:景気が良い
  • 低下している場合:景気が悪い


DI(Diffusion Indexes)

DI(Diffusion Indexes)


専門家に景気が良し悪しを聞いたもの。

経済の多数決のようなものになる。


  • 50%を上回っている場合:景気が良い
  • 50%を下回っている場合:景気が悪い

以前はDIが中心だったけれど、平成20年4月からCIを中心に発表されるようになったよ。


日銀短観

企業に対して、景気に関する調査を行ったもの。全国企業短期経済観測調査ともいう。

調査項目は複数あり、特に業況判断DIが注目される。

業況判断DI = 現状よりも3か月後の業状が良いと答えた企業の割合 – 現状よりも3か月後の業状が悪いと答えた企業の割合


日銀短観は、日本銀行が年に4回発表している。

マネーストック

個人法人が持っている通貨の総量のこと。日本銀行が毎月発表している。


金融機関が保有する通貨は除くよ。

物価指数

ある分野の物価を表したもの。次の2つがある。




企業物価指数

企業物価指数


企業で取引される商品の価格変動を表す。

日本銀行が毎月発表している。



消費者物価指数

消費者物価指数


消費者が購入する商品の価格変動を表す。

総務省が毎月発表している。


商品について、企業物価指数はサービスを含まないけれど、消費者物価指数はサービスを含む

企業物価指数は、消費者物価指数より変動が激しい。原油価格や為替相場の影響を受けるためだよ。

金融市場

金融市場は、お金の貸し借りをしている市場のこと。次のように分けることができる。

金融市場
短期金融市場 取引期間が1年未満のもの。
長期金融市場 取引期間が1年以上のもの。
インターバンク市場

金融機関だけが参加できるもの。手形市場コール市場がある。

日本の代表的な短期金利は、コール市場の無担保コール翌日物レートになる。

無担保コール翌日物レートは、金融機関が短期期で資金調達をする際の金利のこと。今日借りて明日返すような、短期のものがこれに当たる。

オープン市場 一般企業も参加できるもの。CD市場CP市場がある。

CD市場は、他人に譲渡できる預金(譲渡性預金)のこと。

CP市場は、企業が短期間で資金調達するために発行する約束手形のこと。

証券市場 債券市場株式市場がこれに当たる。

金利の変動

国内の金利を上昇させる要因には、次のようなものがある。


  • 景気の回復

    景気が良くなると、物を買うためにお金を借りる人が増えるため、金利が上昇する。


  • 物価の上昇

    物価が上がると、物を買うためにお金が沢山必要になるため、金利が上昇する。


  • 為替相場が円安

    為替が円安になると、輸入製品の価格が上がるため、金利が上昇する。


  • 海外金利の上昇

    海外の金利が高くなると、海外で資産を運用した方が得なので、円が売られて外貨が買われる。

    円が売られると円安になるため、金利が上昇する。


  • 通貨量の減少

    市場に出回る通貨量が少なくなると、金利が上昇する。




国内の金利を下落させる要因には、次のようなものがある。


  • 景気の後退

    景気が悪くなると、物を買うためにお金を借りる人が減るため、金利が下落する。


  • 物価の下落

    物価が下がると、物を買うためにお金が少しで足りるようになるため、金利が下落する。


  • 為替相場が円高

    為替が円高になると、輸入製品の価格が下がるため、金利が下落する。


  • 海外金利の下落

    海外の金利が低くなると、国内で資産を運用した方が得なので、円が買われて外貨が売られる。

    円が買われると円高になるため、金利が下落する。


  • 通貨量の増加

    市場に出回る通貨量が増えると、金利が下落する。

金融政策

金融政策は、物価の安定などを目的として、日本銀行が行う政策のこと。次のようなものがある。



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公開市場操作

公開市場操作は、短期金融市場で債券などの売買を行い資金量を調整すること。次のようなものがある。




売りオペ

売りオペ


日本銀行が保有する債券を金融機関に売って、資金を受取ることにより、市場の資金量を減らすこと。



買いオペ

買いオペ


日本銀行が保有する債券を金融機関に買って、資金を支払うことにより、市場の資金量を増やすこと。




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預金準備率操作

金融機関は、一定割合の預金を日本銀行に預け入れることが義務付けられている。これを預金準備率という。

預金準備率操作は、預金準備率を上げ下げすることで、市場の資金量を調整すること。


預金準備率を引上げると、市場の資金量が減る

預金準備率を引下げると、市場の資金量が増える

財政政策

財政政策は、国や地方公共団体が行う政策のこと。

例えば、不景気の時に行う公共投資や減税がこれに当たる。