リスクマネジメント

リスク管理と保険

生命保険を利用した個人のリスク管理

生命保険を利用して、個人のリスクを管理することができる。


  • 家族の生活費や住宅ローンを返済するため、死亡保障の保険に加入する。
  • 病気や怪我に備えるため、医療保障の保険に加入する。
  • 老後の資金を準備するため、年金保険生涯保険に加入する。

損害保険を利用した個人のリスク管理

損害保険を利用して、個人のリスクを管理することができる。


  • 物に関するリスクを管理するため、住宅保険自動車保険に加入する。
  • 人に関するリスクを管理するため、健康保険介護保険に加入する。
  • 責任に関するリスクを管理するため、賠償責任保険に加入する。

年齢に合わせた個人のリスク管理

年齢に合わせて生命保険や損害保険を選ぶことにより、個人のリスクを管理することができる。

年齢に合わせた生命保険や損害保険をまとめたよ。

       
年齢 主な
リスク
保険
生命保険 対策 損害保険 対策
若年層
20~30代
病気
怪我
不安定な収入
定期保険家族を持ち始める時期に備える 火災保険住居の火災に備える
医療保険病気や怪我に備える 個人賠償責任保険賠償責任に備える
所得補償保険収入の増減に備える
中年層
30~50代
住宅
ローン
子供の
教育費
収入の
喪失
定期保険住宅ローンや子供の教育費に備える 火災保険住居の火災に備える
がん保険がんに備える 自動車保険車の事故に備える
所得補償保険収入の増減に備える 個人賠償責任保険賠償責任に備える
高年層
60代~
医療
介護
老後の
生活費
医療保険医療の費用に備える 住宅総合保険住居の火災、水害、盗難に備える
介護保険介護の費用に備える 介護保険介護の費用に備える
年金保険老後の生活費に備える 個人賠償責任保険賠償責任に備える

生命保険を利用した企業のリスク管理

生命保険を利用して、企業のリスクを管理することができる。


  • 役員向けの福利厚生として、定期保険養老保険に加入する。
  • 従業員向けの福利厚生として、定期保険養老保険に加入する。
  • 従業員の退職後のために、個人年金保険に加入する。

損害保険を利用した企業のリスク管理

損害保険を利用して、企業のリスクを管理することができる。


  • 物に関するリスクを管理するため、火災保険自動車保険に加入する。
  • 人に関するリスクを管理するため、労災保険に加入する。
  • 責任に関するリスクを管理するため、賠償責任保険に加入する。

リスクマネジメント

個人をとりまくリスク

日常生活において、個人には次のようなリスクがある。


  • 生命に関するリスク:死亡、病気、怪我など。
  • 財産に関するリスク:火災、盗難、自然災害など。
  • 責任に関するリスク:損害賠償責任の発生など。

企業をとりまくリスク

ビジネスにおいて、企業には次のようなリスクがある。


  • 業務に関するリスク:機械の故障、従業員の怪我など。
  • 資金に関するリスク:資金繰り、為替の変動、金利の変動など。
  • 評判に関するリスク:不良品、不祥事、損害賠償責任の発生など。

リスクマネジメントの手順

上記のように、日常生活には、病気や事故などのリスクがある。また、ビジネスでは、業務や資金などのリスクがある。

リスクマネジメントは、リスクが生じたときの損失を軽減する対策を立てること。

リスクマネジメントは、次の手順で行われる。


STEP

01

リスクの確認


どんなリスクがあるのかを確認する。

STEP

02

リスクの測定


リスクが発生した場合、どのくらいの損失をもたらすのか測定する。

STEP

03

リスクの対処


リスクが発生した場合、どのような対処ができるか考える。

STEP

04

見直し


今後に備えて見直しを行う。

リスクマネジメントの方法

リスクマネジメントは、次の方法で行われる。


回避 発生頻度がゼロになるような対策をすること。
感染症が流行している地域への旅行を避けるなどがある。
転嫁 影響や責任を第三者に移す対策をすること。
損害の発生に備えて、損害賠償保険に入るなどがある。
軽減 発生頻度を減らしたり、影響度を減らしたりする対策を行うこと。
火災報知器を設置し、火災が発生したことを早期に知らせるなどがある。
受容 対策を行わないでリスクを受け入れること。
日常での運動の軽い怪我の発生を受け入れて、保険に入らないなどがある。

第三分野の保険

医療保険

医療保険は、病気や怪我による入院に備える保険のこと。

終身型更新型があり、入院給付金には支払日数の限度がある。


正常分娩美容整形に伴う手術は補償の対象外になる。

終身型は、生涯補償が続くもの。保険料は固定であることが多い。

更新型は、定期的に更新されるもの。健康状態に関わらず自動で更新されて、年齢に合わせて保険料が上がる。

入院給付金は、入院時に保険会社から支払われる給付金のこと。入院中でも請求することができる。

退院日の翌日から180日以内に同じ病院で再入院した場合、前回の入院と合わせて1回の入院になる。この場合は、1回しか入院保険金がもらえないよ。

がん保険

がん保険は、補償の対象をがんに限定した保険のこと。

医療保険と同じく終身型更新型があるけれど、医療保険と異なり入院給付金の支払日数は無制限となる。

責任開始日から90日程度の免責期間が設けられていることが多いよ。


脳腫瘍悪性リンパ腫白血病も補償の対象になる。

免責期間は待期期間のことで、この期間にがんの診断を受けた場合は契約が無効となる。



がん保険の保険金や給付金は、次のようになるよ。


がん診断給付金 がんと診断されたときに支払われる給付金のこと。
がん入院給付金 がんで入院したときに支払われる給付金のこと。入院初日から日数無制限で支払われる。
がん手術給付金 がんで手術をしたときに支払われる給付金のこと。手術の種類に応じた給付金が支払われる。
がん死亡保険金 がんで死亡したときに支払われる保険金のこと。

生前給付型保険

生前給付型保険は、生前に給付金を受け取ることができる保険のこと。次のようなものがある。


特定疾病保障保険

三大疾病の診断があった場合、生存中に死亡保険金と同じ額の保険金が支払われる保険のこと。三大疾病保障保険ともいう。

特定疾病保険金を受け取ったときに契約が終了するので、その後に死亡しても、死亡保険金が支払われることはないよ。


三大疾病は、がん急性心筋梗塞脳卒中のこと。

特定疾病保険金を受け取ることなく死亡した場合、死亡保険金が支払われるよ。

リビングニーズ特約

余命6ヶ月以内と診断された場合、生存中に死亡保険金が支払われる特約のこと。

リビングニーズ特約に対する追加の保険料は発生しない。

損害保険

原則

損害保険は、次のような原則がある。


大数の法則 少数では偶然の影響が大きいが、大数では偶然の影響が小さいこと。

多くの契約者から保険料を集めることにより、偶然の影響を小さくして、安定した運営をすることができる。

収支相当の原則 契約者が払込む保険料と、保険会社が支払う保険金が等しくなること。

これにより、公平な運営をすることができる。

レクシスの原則 リスクの危険度に応じた保険料を負担しなければならないこと。給付・反対給付均等の原則ともいう。

同じ危険度の契約者が、同じ保険料を負担することにより、公平な運営をすることができる。

利得禁止の原則 実際に発生した損害以上の保険金を受け取ってはならないこと。

これにより、不当に利益を得る手段として利用されないようにすることができる。

保険金額と保険価格の関係

保険金額と保険価格の関係には、次のようなものがある。


  • 超過保険:保険金額 > 保険価格
    損害額は全額支払われる(実損てん補)
  • 全部保険:保険金額 = 保険価格
    損害額は全額支払われる(実損てん補)
  • 一部保険:保険金額 < 保険価格
    保険金額と保険価格の割合により保険金が削減される(比例てん補)

実損てん補は、実際に被った損害額に基づいて保険金が支払われること。例えば、500万円の損害額の場合、500万円の保険金が支払われる。

比例てん補は、実際に被った損害額保険金額に基づいて保険金が支払われること。例えば、500万円の損害額の場合、500万円以下の保険金が支払われることがある。

超過保険や全部保険の場合でも、利得禁止の原則により、保険価格を超えて保険金が支払われることはない。

分類

損害保険は、次のように分類することができる。


モノ保険 建物自動車など物に生じた損害を対象とする保険のこと。自動車保険や火災保険がこれに当たる。
ヒト保険 人の怪我などを対象とする保険のこと。傷害保険がこれに当たる。
賠償責任保険 第三者に対する損害賠償責任を対象にする保険のこと。個人賠償責任保険や生産物賠償責任保険がこれに当たる。
その他の保険 上記以外の損害を対象にする保険のこと。所得補償保険などがこれに当たる。

自動車保険

自動車保険は、自動車の運転中に起きた事故による損害を補償するもの。

強制加入の自動車保険と、任意加入の自動車保険に分かれる。



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強制加入の自動車保険

強制加入の自動車保険には、自賠責保険がある。

自賠責保険は、全ての自動車の所有者・運転者が加入しなければならない保険のこと。加害者以外の損害を補償する。


事故の相手の運転手や通行者の怪我は補償の対象になる。

事故を起こした運転手の怪我は補償の対象外になる。

車の破損や建築物の損害は補償の対象外になる。



保険金の限度額は、死傷者1人当たり次のようになる。


  • 死亡事故:3,000万円まで
  • 傷害事故:120万円まで(後遺障害の場合は75万円~4,000万円まで)


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任意加入の自動車保険

任意加入の自動車保険には、次のようなものがある。


対人賠償保険 事故で他人を死傷させ、損害賠償責任を負った場合に、自賠責保険の補償額を超える部分を補償する保険のこと。
対物賠償保険 事故で他人の物に損害を与えて、損害賠償責任を負う場合に備える保険のこと。
搭乗者傷害保険 事故を起こした運転手同乗者の死傷を補償する保険のこと。
自損事故保険 自賠責保険で補償されない単独事故を補償する保険のこと。
無保険車傷害保険 事故により死傷したが、加害者が無保険の場合や、十分な補償ができない場合に補償する保険のこと。
車両保険 自動車が事故盗難にあった場合に補償する保険のこと。
人身傷害補償保険 事故により死傷した場合、過失の有無に関わらず、実際の損害額を補償する保険のこと。

対人賠償保険や対物賠償保険は、被害者を救済するための保険になる。そのため、免許失効中飲酒運転中の事故でも保険金が支払われるよ。

火災保険

火災保険は、火災による損害を補償するもの。住宅家財が補償の対象になる。

火災保険の種類と補償の範囲は次のようになる。


損害 住宅火災保険 住宅総合保険
火災、落雷、爆発、破裂
風災、ひょう災、雪災
消防活動による水濡れ
水害、水災 ×
給排水設備事故による水漏れ ×
盗難 ×
落下、飛来、衝突 ×
持出家財の損害 ×
地震、津波、噴火 ××
シロアリ被害 ××

住宅火災保険は、火災、落雷、風災による損害を補償するもの。

住宅総合保険は、住宅火災保険で補償されるものに加えて、水災、盗難による損害を補償するもの。

住宅火災保険や住宅総合保険は掛捨型の火災保険になる。

長期総合保険積立生活保険といった積立型の火災保険もある。



火災保険の保険金の支払額は次のようになる。


  • 保険金額が保険価格の80%以上
    実損てん補になり、保険金額を限度に実際の損害額が支払われる。
  • 保険金額が保険価格の80%未満
    比例てん補になり、次の式によって保険金が支払われる。
    損害保険金 = 損害額 × 保険金額 ÷(保険価格 × 80%)

地震保険

地震保険は、地震、津波、噴火による損害を補償するもの。住宅家財が補償の対象になる。

火災保険と地震保険はセットになっていることが基本のため、地震保険だけ加入することはできない。火災保険に加入する際、地震保険には加入しない場合には、その旨を届出る必要があるよ。


火災保険は、地震津波噴火にによる損害は補償の対象外になる。

地震保険は、1つが30万円を超える貴金属宝石は補償の対象外になる。



保険料

地震保険の保険料は、所在地と建物の構造によって決まる。


東京などは保険料率が高く、鹿児島などは保険料率が低い。

全国統一の地震保険基準率に基づいて算定するため、同じ建物は異なる保険会社でも同じ保険料になる。

保険料の割引制度に、免震構造を持つ建物を割引する免震建築物割引、耐震診断で高い判定の建物を割引する耐震診断割引、耐震等級が建物を割引する耐震等級割引、新しい建物を割引する建築年割引がある。

保険金

地震保険の保険金は、次のように支払われる。


  • 建物または家財が完全に壊れている(全部損):保険金額の100%
  • 建物または家財が50%~70%壊れている(大半損):保険金額の60%
  • 建物または家財が20%~50%壊れている(小半損):保険金額の30%
  • 建物または家財が3%~20%壊れている(一部損):保険金額の5%
保険期間

地震保険の保険期間は、原則1年になる。

火災保険の保険期間が5年を超える場合、1年ごとの自動継続か、5年ごとの自動継続が選べるよ。

保険金額

地震保険の保険金額は、火災保険の30~50%の範囲で設定する。

ただし、建物は5,000万円まで、家財は1,000万円までになるよ。

傷害保険

傷害保険は、日常生活での様々な怪我を補償するもの。保険料は職業によって2段階に分かれる。

危険な職業についている人の方が怪我をしやすいので、職業によって保険料が変わるよ。


傷害保険には、次のような種類がある。


普通傷害保険 国内外を問わず、日常生活で起こる傷害を補償する。

業務中の傷害も対象になる。

病気細菌性食中毒自殺地震噴火津波による傷害は対象外になる。

家族傷害保険 普通傷害保険と同じ内容で、家族全員を補償する。

家族の範囲は、本人配偶者、生計を共にする同居親族、生計を共にする別居の未婚の子になる。

交通事故傷害保険 国内外を問わず、交通事故、建物や乗り物の火災、エスカレーターやエレベータの事故による傷害を補償する。
ファミリー
交通事故傷害保険
交通事故傷害保険と同じ内容で、家族全員を補償する。

家族の範囲は、本人配偶者、生計を共にする同居親族、生計を共にする別居の未婚の子になる。

国内旅行傷害保険 国内旅行中の傷害を補償する。

細菌性食中毒による傷害は対象になる。

地震による傷害は対象外になる。

海外旅行傷害保険 海外旅行中の傷害を補償する。

細菌性食中毒地震噴火津波による傷害は対象になる。

賠償責任保険

賠償責任保険は、偶然の事故による損害賠償責任を補償するもの。

賠償責任保険には、次のような種類がある。

                 
対象 保険 詳細
個人 個人
賠償責任保険
日常生活での事故によって、他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したことにより、損害賠償責任を負うことに備えるもの。

業務中の損害賠償責任や、借りた物に対する損害賠償責任は対象外になる。

法人 PL保険 製造・販売した商品の欠陥によって、他人に損害を与えたことにより、損害賠償責任を負うことに備えるもの。生産物賠償責任保険ともいう。

レストランの食事で食中毒を出した、端末が出火して火傷を負わせた場合など。

施設所有管理者
賠償責任保険
施設の不備による事故や、施設内外で業務中に発生した事故により損害賠償責任を負うことに備えるもの。

倉庫に積んであった荷物が崩れて、従業員に怪我を負わせた場合など。

請負業者
賠償責任保険
請負業務中に発生した事故により、損害賠償責任を負うことに備えるもの。

工事中に鉄板が落下して、通行人に怪我を負わせた場合など。

受託者
賠償責任保険
他人から預かった物の破損・紛失により、損害賠償責任を負うことに備えるもの。

その他の保険

その他にも、次のような損害保険があるよ。

                 
対象 保険 詳細
個人 所得補償保険 病気や怪我により、働けなくなることに備えるもの。
法人 労働災害総合保険 労災保険の給付や労働災害により、損害賠償責任を負うことに備えるもの。
費用・利益保険 偶然の事故による企業活動の停止に備えるもの。
機械保険 突発的な機械の事故による損害に備えるもの。
建設工事保険 突発的な建物の事故による損害に備えるもの。

個人が地震保険料を払込んだとき

個人が地震保険料を払込んだとき、地震保険料控除として所得から控除することができる。

これにより、所得税や住民税の控除が受けられる。控除額は、次のようになるよ。


  • 所得税:払込保険料の全額(50,000円まで)
  • 住民税:払込保険料の半額(25,000円まで)

個人が保険金を受け取ったとき

損害保険の場合、実損払いのため原則は非課税となる。

ただし、保険金が損害額を超える場合、その超過分は課税の対象となるよ。

また、次のものは生命保険と同じ扱いになる。


  • 傷害保険や自動車保険による死亡保険金:相続税所得税の課税対象となる。
  • 積立型保険の満期返戻金や解約返戻金:所得税(一時所得)として課税される。
  • 年金として受け取る給付金:所得税(雑所得)として課税され、公的年金等控除が適用される。

公的年金等控除は、公的年金などを受け取る際、課税対象額を減らして、年金受給者の税負担を軽減するもの。

法人や個人事業主が保険料を払込んだとき

法人や個人事業主が保険料を払込んだとき、次のように経理処理される。




法人の損害保険料の経理処理

法人の場合


法人が払込んだ保険料は、原則として損金算入される。


ただし、満期返戻金がある契約の場合、積立部分に関する保険料は資産計上する。



個人事業主の保険料の経理処理

個人事業主の場合


個人事業主が払込んだ保険料は、全額を経費として処理する。


店舗兼住宅の火災保険料のうち、住宅部分については経費とすることができない。

個人事業主本人の傷害保険の保険料や、所得補償保険の保険料は経費とすることができない。

法人が保険金を受け取ったとき

法人が保険金を受け取ったとき、原則として益金になり、法人税の課税対象になる。


保険料が資産計上されている場合、保険金からその分を差し引くことができる。これにより、益金が減少して法人税が軽減されるよ。

固定資産に損害が生じたため受け取った保険金を、新たな固定資産の取得に充てた場合、圧縮記帳を適用することができる。

圧縮記帳は、資産の購入費用を経費として計上することができるもの。これにより、法人税が軽減されるよ。

生命保険

生命保険の種類

生命保険には、次の3種類がある。




死亡保険

死亡保険


被保険者が死亡または後遺障害になった場合に保険金が支払われる。

後遺障害は、治療を受けた後も、身体や精神に残る障害のこと。治療が終わっても、日常生活や仕事に支障をきたす状態が続くよ。



生存保険

生存保険


被保険者が一定期間後まで生存している場合に保険金が支払われる。



生死混合保険

生死混合保険


死亡保険生存保険を組み合わせたもの。

死亡保険

死亡保険には、次のようなものがある。


終身保険

保障が一生涯続くもの。

保険料の払込みが一生涯続く終身払込みと、一定期間で終了する有期払込みがある。


他の条件が同じなら、1回あたりの保険料は終身払込みより有期払込みの方が高い

満期時に貰える満期保険金はないけれど、解約時に貰える解約返戻金が多い。貯蓄性の高い商品になるよ。

解約返戻金が低い代わりに、保険料が安くなる低解約返戻金型終身保険というものもある。

最初に一括で保険料を支払う代わりに、保険料が安くなる一時終身保険というものもある。

低解約返戻金型終身保険と一時終身保険は、早期に解約すると、解約返戻金が保険料を下回るので注意するよ。

定期保険

一定の期間内に死亡した場合、死亡保険金が支払われる。

満期保険金がなく掛捨型のため、保険料が安い。次のような種類がある。


平準定期保険
平準定期保険

保険金が一定のもの。


逓減定期保険
逓減定期保険

保険金が一定期間ごとに減少するもの。

ただし、保険料は一定になる。


逓増定期保険
逓増定期保険

保険金が一定期間ごとに増加するもの。

ただし、保険料は一定になる。


収入保障保険
収入保障保険

保険金が複数年に分けて年金方式で支払われる定期保険のこと。

年金形式ではなく、一時金として受け取ることもできる。ただし、年金形式より一時金の方が受け取り金額が低くなる。

年金形式の保険金の受け取り方には、確定年金タイプ歳満了年金タイプがある。

確定年金タイプは、保険期間中にいつ被保険者が死亡しても年金が支払われる。

歳満了年金タイプは、被保険者が死亡してから保険期間が終了するまで年金が支払われる。

定期保険特約付終身保険
終身保険を主契約とし、定期保険特約を付けることによって、ある期間の死亡保障を厚くするもの。

次の2つの種類がある。




全期型

全期型


定期保険特約の期間を、終身保険の保険料払込期間と同じ期間で設定する。

定期保険の保険料は、契約時の保険料のまま全期間で同じになる。



更新型

更新型


定期保険特約の期間を、終身保険の保険料払込期間より短く設定する。

定期保険の保険料は、更新ごとに高くなる。

アカウント型保険

支払った保険料を、積立部分保障部分に自由に設定できるもの。利率変動型積立終身保険ともいう。


保険料払い込み期間が満了した後は、積立部分を終身保険や年金に移行することができる。

積立部分の利率は経済状況によって変動するけれど、最低保証率が設定されている。

積立部分の利率は、最低保証率より低くなることはないよ。

生存保険

生存保険には、次のようなものがある。


こども保険

子供の進学時に祝い金、満期時に満期保険金が支払われるもの。学資保険ともいう。


原則として、が契約者、子供が被保険者になる。

契約者が死亡した場合、それ以降の保険料は免除され、当初の予定通りに祝い金や満期保険金が支払われる。

途中で解約すると、解約返戻金が保険料を下回るので注意するよ。

個人年金保険

契約時に決めた年齢に達すると、年金を受け取ることができる保険のこと。次のような種類がある。


終身年金
終身年金

生存している間、年金を受け取ることができる。


有期年金
有期年金

生存している一定期間、年金を受け取ることができる。


保証期間付終身年金
保証期間付終身年金

保障期間中は生死に関係なく、補償期間後は生存している間、年金を受け取ることができる。


保証期間付有期年金
保証期間付有期年金

保障期間中は生死に関係なく、補償期間後は生存している一定期間、年金を受け取ることができる。


確定年金
確定年金

生死に関係なく、一定期間年金を受け取ることができる。


夫婦年金
夫婦年金

夫婦のいずれかが生存している限り、年金を受け取ることができる。

変額個人年金保険

保険会社が株式や債券を運用し、成果に応じて年金や解約返戻金の額が変動するもの。


年金支払開始前に死亡した場合、死亡給付金が支払われる。

死亡給付金には最低保証があるが、解約返戻金には最低保証がない



保険料以外にも、次のような費用が掛かる。

 
契約初期費用 契約時に掛かる費用のこと。
保険契約関係費用 保険契約の締結維持に掛かる費用のこと。
資産運用関連費用 資産の運用売買監査に掛かる費用のこと。
解約控除 契約から一定期間以内に解約する場合に掛かる費用のこと。

生死混合保険

生死混合保険には、次のようなものがある。




養老保険

養老保険


次のように保険金が支払われるもの。


  • 一定期間内に死亡した場合、死亡保険金が支払われる。
  • 満期まで生存していた場合、満期保険金が支払われる。



定期保険特約付養老保険

定期保険特約付養老保険


主契約の養老保険に、特約として定期保険を付けたもの。



保障と貯蓄を兼ね備えた保険なので、定期保険や終身保険より保険料が高い

その他の保険

その他にも、次のような保険がある。


変額保険

保険会社が株式や債券を運用して、成果に応じて保険金や解約返戻金の額が変動する保険のこと。

定額保険の資産である一般勘定と、変額保険の資産である特別勘定は、別の口座で運用される。

一般勘定により固定の保険金が保証され、特別勘定により保険金や解約返戻金の額が変動するよ。



変額保険には、次のような種類がある。



終身型

終身型
000


一生涯保障が続くもの。



有期型

有期型
満期保険金 > 基本保険金


保険期間が一定のもの。



有期型

有期型
満期保険金 < 基本保険金


保険期間が一定のもの。


死亡保険金には最低保証があるが、解約返戻金や満期保険金には最低保証がない

この最低保証を基本保険金という。

死亡保険金が基本保険金を下回った場合に、基本保険金が支払われる。

運用益に対する課税は、都度発生することはなく、解約時または年金受取開始時に発生する。

団体定期保険

企業の役員や従業員の怪我病気死亡に備える保険のこと。

代表者を契約者、役員従業員を被保険者とする。

保険期間が1年の定期保険で、役員や従業員は任意で加入して保険料を負担するよ。

総合福祉団体定期保険

役員や従業員の遺族補償を目的とする保険のこと。

法人を契約者、役員従業員を被保険者とする。

保険期間が1年の定期保険で、保険金の受取人は被保険者の遺族または法人となるよ。


保険金の受取人が法人の場合、被保険者の承認が必要となる。

保険金の受取人が法人または被保険者の遺族のいずれの場合でも、保険料は法人が負担する。

団体信用生命保険

住宅ローンの支払中に、契約者が死亡または高度障害になることに備える保険のこと。

住宅ローンの支払中に、契約者が死亡または高度障害になった場合、住宅ローンの残りの返済額に合わせて保険金が支払われるよ。


高度障害は、両眼の視力を完全に失う、四肢の全てを失う、完全な寝たきりの状態など、かなり高度な障害のこと。

主な特約

病気や怪我をしたときの保障として、生命保険に次のような特約を付けることができる。


分類 特約 詳細
傷害
死亡
災害割増特約 事故が原因で、180日以内に死亡または高度障害になったとき、保険金が支払われる。
傷害特約 事故が原因で、180日以内に死亡または身体障害になったとき、保険金または給付金が支払われる。

身体障害は、身体の機能が一部または全て失われること。視力や聴力の低下、四肢の麻痺などがこれに当たる。

入院 災害入院特約 災害や事故による怪我で、180日以内に入院したとき、給付金が支払われる。
疾病入院特約 病院で入院したとき、給付金が支払われる。
通院 通院特約 病気や怪我で入院し、退院後も治療のため通院した場合に給付金が支払われる。
その他 特定疾病保障
保険特約
がん急性心筋梗塞脳卒中により所定の状態になったとき、生存中に保険金が支払われる。三大疾病保障保険特約ともいう。

保険金を受け取ることなく死亡した場合も、保険金が支払われる。

保険金は前倒しで受け取ることができる。

ただし、前倒しで支払われる保険金は、6ヶ月分の利息と保険料に相当する額が控除される。

そのため、前倒しすると受け取れる保険金が安くなってしまうよ。

リビングニーズ
特約
被保険者が余命6ヶ月以内と診断された場合、生存中に死亡保険金が前倒しで支払われる。
先進医療特約 厚生労働大臣が定める施設で、厚生労働大臣が定める先進医療を受けたとき、給付金が支払われる。

公的医療保険の対象となっていない、先進的な医療技術が対象になる。

公的医療保険は、政府や自治体が提供する医療保険制度のこと。健康保険国民健康保険後期高齢者医療制度がこれに当たる。

ヒューマン
バリュー特約
役員や従業員が死亡した場合に、法人に死亡保険金が支払われる。

役員や従業員が死亡した場合、法人はその役員や従業員が生み出していた利益を損失する。 さらに、他の役員や従業員を雇用する費用が発生する。そのような事態に備えるための特約になるよ。

保険料の算定

保険料は、次の3つの予定基礎率に基づいて算出される。




予定死亡率

予定死亡率


統計から性別や年齢ごとの死亡率を算出したもの。

予定死亡率が低いほど保険料は低くなる。



予定利率

予定利率


保険会社が見込んでいる運用利回りのこと。

予定利率が高いほど保険料は低くなる。



予定事業費率

予定事業費率


保険会社が事業を運営するうえで必要になる事業費のこと。

予定事業費率が高いほど保険料は高くなる。

保険料の構成

保険料は次の要素で構成される。




純保険料

純保険料


保険会社が支払う保険金のこと。主に次の2つがある。


  • 死亡保険料:死亡保険金の支払い
  • 生存保険料:生存保険金の支払い


付加保険料

付加保険料


保険会社が事業を運営するための費用のこと。



予定死亡率予定利率を基に、死亡保険料と生存保険料が算出される。

予定事業費率を基に、付加保険料が算出される。

剰余金

剰余金は、保険料と実際に掛かった費用の差額のこと。通常は、保険料の方が実際に掛かった費用より大きくなる。

剰余金 = 保険料(保険会社の収入)- 実際に掛かった費用(保険会社の支出)

剰余金が生じる理由には、次のようなものがある。


  • 死差益:予定死亡率で見込んだ死亡者数より、実際の死亡者数が少なかった。
  • 費差益:予定事業費率で見込んだ経費より、実際の経費が少なかった。
  • 利差益:予定利率で見込んだ運用収益より、実際の運用収益が多かった。

配当金

剰余金が発生した場合、保険会社は契約者に配当金を支払う。

配当金の支払いがある保険を有配当保険といい、配当金の支払いのない保険を無配当保険という。

また、配当金の支払いが一部ある保険を準有配当保険という。


名称 保険料 詳細
有配当保険 高い 死差益利差益費差益から配当金が支払われる保険のこと。
準有配当保険 中程度 利差益から配当金が支払われる保険のこと。
無配当保険 低い 配当金が支払われない保険のこと。

準有配当保険は利益配当付保険ともいう。

必要保障額

必要保障額は、世帯主が死亡した場合に、遺族の保障のために必要な金額のこと。

世帯主の死亡後の支出総額から、収入総額を差し引いて求めるよ。


必要保障額が最大になるのは末子が誕生したときになる。

住宅ローンを組んだときに、団体信用生命保険に加入した場合は、住居費は0円で計算する。残りの住宅ローンは団体信用生命保険の死亡保険金で支払われるよ。

かんぽ生命

かんぽ生命は、全国の郵便局を通じて生命保険商品を提供している会社のこと。

かんぽ生命の保険商品は、定額保険、終身保険、養老保険などがあり、加入限度額が設けられている。

かんぽ生命の保険商品には次のような特徴があるよ。


  • 簡単な手続きで加入できる保険で、保険金は少額になることが多い。

  • 保険金の限度額は1,000万円になる。

    20歳以上55歳以下の被保険者の場合、条件を満たせば2,000万円になることがある。


  • 加入から1年半経過後に死亡した場合、保険金が2倍支払われることがある。

  • 加入から1年半経過前に死亡した場合、保険金が一部削減されることがある。

共済

共済の生命保険商品には、次のようなものがある。


  • JA共済
    農業協同組合(JA)は、農業者向けに一般生命保険、養老保険、終身保険などを提供している。

  • こくみん共済
    全国労働者共済生活協同組合連合会は、労働者やその家族向けに定期保険、終身保険、医療保険などを提供している。

  • CO-OP共済
    生活協同組合(CO-OP)は、組合員向けに定期保険、医療保険、がん保険などを提供している。

  • 県民共済
    都道府県単位で加入できるもので、定期保険、医療保険、がん保険などを提供している。

    東京都の都民共済、北海道の道民共済、市町村単位の市民共済がある。


告知義務

保険契約を申し込むとき、契約者や被保険者は、健康状態や病歴など重要事項を保険会社に告知しなければならない。これを告知義務という。

保険会社は、契約者や被保険者の重要事項を元に契約を承諾するか判断するよ。


審査なしの無選択型保険の場合、告知義務はない。

無選択型保険は告知義務がある保険より、保険料が割高になる。



事実と異なる告知があった場合など告知義務違反があった場合、保険会社は契約を一方的に解除することができる。

その際、解約返戻金は支払われるが、保険金や給付金は支払われないよ。

責任開始日

責任開始日は、保険金の支払いなど、保険会社が責任を開始する日のこと。

申込み告知第1回保険料の払込みの3つが全て完了した日のことになる。


保険会社の承諾がこれより後になった場合でも、上記の3つが完了した日から責任を開始する。

保険料の払込み

保険料の払込方法には、一時払い年払い半年払い月払いなどがある。

保険料を払込まなかった場合、次のような対応になるよ。


猶予期間

保険料が払込まれなかった場合、一定の猶予期間が設けられており、すぐに保険契約が無効になることはない。


猶予期間中に保険金の支払い事由が生じた場合、未払いの保険料を差し引いて保険金が支払われるよ。

失効と復活

猶予期間を過ぎても保険料が払込まれなかった場合、保険契約は無効になる。これを失効という。

いったん失効した保険契約でも、一定期間内に手続きを行うことにより元の状態に戻すことができる。これを復活という。


保険契約を復活させた場合、未払いの保険料を支払う必要がある。保険料は元の保険料と同じ額になる。

健康状態によっては、保険契約を復活できないことがある。

自動振替貸付制度

保険料の払込みがなかった場合に、保険会社が解約返戻金を限度として、自動的に保険料を立替えてくれるもの。


貸付けなので、所定の利息が発生する。

保険契約の見直し

保険契約の締結後、家族構成の変化や経済的な事情によって、契約内容を見直すことがある。

保険契約の見直しをする際、次のような制度や方法があるよ。


制度・方法 詳細
増額・減額 保険金を増額・減額することができる。特約を付加する場合、特約の保険料は付加時の年齢で計算される。
払込保険 保険料の払込みを中止して、その時点の解約返戻金を元に、同じ種類の保険に変更すること。 保険期間は元の契約と同じだけど、保険金は元の契約より少なくなる。また、特約は消滅する。
延長保険 保険料の払込みを中止して、その時点の解約返戻金を元に、定期保険に変更すること。 保険期間は元の契約より短くなり、保険金は元の契約と同じになる。また、特約は消滅する。
契約転換制度 現在契約している保険の責任準備金や配当金を元に、新しい保険に加入すること。 保険を転換する際には、告知医師の診断が必要になる。 また、保険料は転換時の年齢保険料率により計算される。
契約貸付制度 解約返戻金の範囲内で、保険会社から貸付けを受けることができるもの。 貸付けなので、所定の利息が発生する。

個人が保険料を払込んだとき

個人が保険料を払込んだとき、生命保険料控除として所得から控除することができる。

これにより、納める所得税住民税を軽減することができるよ。


少額短期保険契約の保険料は、生命保険料控除の対象外になる。

少額短期保険契約は、小額の保険金で、短期の保障を提供する保険のこと。

受取人が契約者契約者の配偶者一定の親族でない場合、生命保険料控除の対象外になる。



生命保険料控除額は、新制度旧制度で異なる。


分類 一般生命保険料控除 個人年金保険料控除 介護医療保険料控除 合計
旧制度 所得税 50,000円まで50,000円まで100,000円まで
住民税 35,000円まで35,000円まで70,000円まで
新制度 所得税 40,000円まで40,000円まで40,000円まで120,000円まで
住民税 28,000円まで28,000円まで28,000円まで70,000円まで

2012年1月1日以降に締結した契約は新制度、2011年12月31日以前に締結した契約は旧制度になる。

2011年12月31日以前に締結した契約でも、2012年1月1日以降に契約の更新転換特約の付加を行うと、新制度になる。

新制度について、身体の傷害に対して保険金が支払われる契約の保険料は対象外になる。災害割増特約、傷害特約、災害入院特約などがこれに当たる。

一般生命保険料控除は、一般的な生命保険の保険料を控除するもの。

生存・死亡時に保険金や給付金が支払われる契約の保険料は、一般生命保険料控除の対象になる。

個人年金保険料控除は、個人年金保険の保険料を控除するもの。

個人年金保険料税制適格特約の付加された個人年金保険契約の保険料は、個人年金保険料控除の対象になる。

介護医療保険料控除は、介護保険や医療保険の保険料を控除するもの。

入院・通院時に保険金や給付金が支払われる契約の保険料は、介護医療保険料控除の対象になる。



新制度と旧制度の両方に当てはまる場合、生命保険料控除は次のようになる。


  • 旧制度の契約についてのみ申告:所得税は50,000万円まで、住民税は35,000万円まで
  • 新制度の契約についてのみ申告:所得税は40,000万円まで、住民税は28,000万円まで
  • 新制度と旧制度の契約について申告:所得税は40,000万円まで、住民税は28,000万円まで



個人年金保険料税制適格特約の付加された個人年金保険契約に加入している場合、一般生命保険料控除と別枠で、同じ額の控除を受けることができる。

ただし、次の4つの条件を全て満たしていない場合、一般生命保険料控除の対象になる。


  • 受取人が契約者または配偶者である。
  • 受取人が被保険者である。
  • 保険料払込期間が10年以上ある。
  • 確定年金または有期年金の場合、年金受取開始日の年齢が60歳以上で、年金受取期間が10年以上ある。

変額個人年金保険の保険料は、一般生命保険料控除の対象になる。 変額個人年金保険について詳しく見る

個人年金保険料税制適格特約は、保険商品の規制がなければ途中から付け加えることができる。

個人が保険金を受け取ったとき

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死亡保険金

死亡保険金の場合、受取人に次の税金が掛かる。


契約者 被保険者 受取人 税金
Aさんが亡くなって、Bさんが保険金を受け取る場合
Aさん Aさん Bさん 相続税
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Aさんが受け取る場合
Aさん Bさん Aさん 所得税(一時所得)、住民税
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Cさんが受け取る場合
Aさん Bさん Cさん 贈与税


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満期保険金や解約返戻金

満期保険金や解約返戻金の場合、受取人に次の税金が掛かる。


契約者 被保険者 受取人 税金
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Aさんが受け取る場合
Aさん 誰でも Aさん 所得税(一時所得)、住民税
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Bさんが受け取る場合
Aさん 誰でも Bさん 贈与税


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個人年金保険の死亡給付金

年金受給開始前に被保険者が死亡した場合、個人年金保険の死亡給付金は死亡保険金と同じ扱いになる。

年金受給開始時に被保険者が生存している場合、受取人に次の税金が掛かる。


契約者 被保険者 受取人 税金
Aさんが亡くなって、Bさんが保険金を受け取る場合
Aさん Aさん Bさん 相続税
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Aさんが受け取る場合
Aさん Bさん Aさん 所得税(一時所得)、住民税
Aさんが保険料を支払っていた保険契約の保険金を、Cさんが受け取る場合
Aさん Bさん Cさん 贈与税


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個人年金保険の満期保険金や解約返戻金

個人年金保険の満期保険金や解約返戻金の場合、受取人に次の税金が掛かる。


契約者 被保険者 受取人 税金
契約者 = 受取人の場合
Aさん Aさん Aさん 毎年受取る年金は所得税(雑所得)、一括で受取る年金は所得税(一時所得)になる。
契約者 ≠ 受取人の場合
Aさん Bさん Bさん Bさんが年金受給権を取得した時、年金受給権に対して贈与税が掛かる。


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一時養老保険の満期返戻金

契約者と受取人が同じで、保険期間が5年以下の一時養老保険の満期返戻金は、金融類似商品として利子所得と同じように、20%の源泉分離課税となる。


20%の内訳は、所得税15%住民税5%になる。復興特別所得税を含める場合は、20.315%になる。

契約者と受取人が同じで、保険期間が5年を超える一時養老保険を、5年以内に解約した際の解約返戻金も同じ扱いになる。



金融類似商品として取り扱われる一時養老保険の要件は、次のようになる。


  • 保険期間が5年以下である。または、保険期間が5年を超えており、5年以内に解約している。
  • 保険料の払い込み方法が一時払いである。
  • 普通死亡保険金が満期保険金と同額である。
  • 災害死亡保険金が満期保険金の5倍未満である。

一時払いの終身保険を5年以内に解約した場合、金融類似商品として扱われない。一時所得として所得税の課税対象となる。

普通死亡保険金は、被保険者が通常の原因で死亡した場合に支払われる保険金のこと。

災害死亡保険金は、被保険者が災害で死亡した場合に支払われる保険金のこと。



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非課税の保険金や給付金

次の保険金や給付金は非課税になる。


  • 入院給付金
  • 高度障害保険金
  • 手術給付金
  • 特定疾病保険金
  • リビングニーズ特約保険金

受取人が本人被保険者配偶者直系血族のいずれの場合でも非課税になる。

特定疾病保険金やリビングニーズ特約保険金を受取った後に被保険者が死亡し、受取った保険金が現金で残っている場合、相続税の課税対象になる。

契約に関する権利の相続

契約者と被保険者が異なる契約について、契約者が死亡した場合、新たな契約者に契約に関する権利を相続することができる。このとき、契約に関する権利に対して相続税が課される。


契約に関する権利の金額は、解約返戻金と同じになる。

契約者と被保険者が異なる契約について、契約者の変更があった場合、相続税が課されることはない。

ただし、新たな契約者が契約を解除して解約返戻金を受け取った場合、贈与税が課される。

相続税、贈与税、所得税の計算方法

相続税、贈与税、所得税は次のように計算する。


相続税 相続人が受け取った死亡保険金のうち、次の金額が非課税になる。
非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

相続人以外の人が死亡保険金を受け取った場合、非課税の適用はない。

法定相続人は、法律により遺産を相続する権利を持つ人のこと。

贈与税 110万円の基礎控除がある。

110万円を超える部分は課税される。

所得税(一時所得) 次の金額が課税対象になる。
一時所得 =(保険金 – 払込保険料)- 50万円
所得税(雑所得) 次の金額が課税対象になる。
雑所得 = その年に受け取る年金額 – 必要経費

法人が保険料を支払ったとき

法人が契約者で、役員や従業員が被保険者になる保険を法人契約の保険という。

法人が支払った保険料の経理処理は、原則として次のように行われる。




定期保険や特約

定期保険、特約


貯蓄性の低い商品は、定期保険料や特約保険料として損金算入する。


損金算入は、企業の支出を経費として計上すること。経費として計上することにより、支払う法人税の額が減る。



養老保険、終身保険、年金保険

養老保険、終身保険、年金保険


貯蓄性が高い商品は、保険料積立金として資産計上する。


資産計上は、企業が取得した資産を帳簿に記載すること。経費として計上することはできない。

ただし、受取人が被保険者または被保険者の遺族の場合、給与として損金算入する。そのため、経費として計上できる。




他にも、法人が支払った保険料の経理処理は、次のように行われる。


1/2養老保険

法人契約の養老保険に支払った保険料の半分を、経費として計上できるもの。ハーフタックスプランともいう。

具体的には、半分を保険料積立金として資産計上して、残りの半分を福利厚生費として損金算入する。

長期平準定期保険

次の要件を満たす、長期間の定期保険のこと。

  • 契約時の年齢 + 保険期間 > 70
  • 契約時の年齢 + 保険期間 × 2 > 105


支払った保険料の経理処理は、次のように行われる。

  • 保険期間の前半の6割:保険料の半分は定期保険料として損金算入、残りの半分は前払保険料として資産計上
  • 保険期間の後半の4割:保険料の全額を定期保険料として損金算入
個人年金保険

法人契約の個人年金保険の経理処理は、次のように行われる。

                 
契約者 被保険者死亡保険金の受取人年金の受取人 経理処理
法人役員・従業員法人法人資産計上
役員・従業員の遺族役員・従業員給与
役員・従業員の遺族法人90%は資産計上、
10%は損金算入

法人が保険金を受け取ったとき

法人が保険金を受け取ったとき、全額が雑収入として益金になり法人税が掛かる。


益金は、企業が得た利益のうち、税金の対象となるもの。

保険料が資産計上されている場合、保険金からその分を差し引くことができる。これにより、法人税を軽減することができる。

保険制度全般

保険制度

保険には、国や地方公共団体が運営している公的保険と、民間の保険会社が運営している私的保険がある。

私的保険は生命保険損害保険に分かれ、どちらにも属さないものを第三分野の保険という。





生命保険

生命保険
(第一分野)


人の生死を補償する定額給付の保険のこと。生命保険会社が取り扱っており、主に次のようなものがある。


  • 終身保険
  • 定期保険
  • 養老保険
  • 個人年金保険

損害保険

損害保険
(第二分野)


事故で発生した損害を補償する実損填補の保険のこと。損害保険会社が取り扱っており、主に次のようなものがある。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 自賠責保険
  • 自動車保険

第三分野の保険

第三分野
の保険


生命保険と損害保険のどちらにも属さない保険のこと。生命保険会社損害保険会社が取り扱っており、主に次のようなものがある。

  • 医療保険
  • 介護保険
  • 傷害保険
  • がん保険
  • 所得補償保険

定額給付は、あらかじめ定められた保険金が支払われること。

実損填補は、実際の損害額に合わせた保険金が支払われること。

第三分野の保険は、定額給付であることが多い。

保険の用語

保険に関する次の用語を覚えておこう。


分類 用語 詳細
共通 契約者 保険会社と契約を結ぶ人のこと。
被保険者 病気や事故が発生したときに、補償を受ける人のこと。
受取人 保険金の支払いを受ける人のこと。
保険料 契約者が保険会社に払込む金額のこと。
保険金 被保険者が死亡した、高度障害になった、満期まで生存した、事故が発生したときに、保険会社から支払われる金額のこと。
主契約 保険の基本となる部分のこと。
特約 主契約に付加する部分のこと。
保険期間 保険契約が有効である期間のこと。保険期間中に発生した病気や事故などが補償の対象になるよ。
満期 保険契約が終了する時点のこと。保険期間後に発生した病気や事故などは補償の対象にならないよ。
掛捨型 保険期間中に保険金が支払われなかった場合、満期に保険料が戻ってこない保険のこと。短期的な保険で、保険料が安いことが多い。
積立型 保険期間中に保険金が支払われなかった場合、満期に保険料が戻ってくる保険のこと。貯蓄性のある保険で、保険料が高いことが多い。
生命保険 給付金 被保険者が手術入院死亡した場合に、保険会社から支払われる金額のこと。
解約返戻金 保険契約を途中で解約した場合に、契約者に払い戻される金額のこと。
満期返戻金 保険契約が満期に到達した場合に、契約者に払い戻される金額のこと。
損害保険 保険価格 事故が発生したときに被る損害の最高額の見積もり価格のこと。
保険金額 事故が発生したときに保険会社が支払う限度額のこと。

契約者被保険者受取人は、必ずしも同一人物である必要はない。

契約者がAさんで、被保険者がAさんの子供、受取人がAさんの子供という場合もある。この場合、親が子供のために保険に加入して、将来に子供が保険金を受け取ることになるよ。

保険の原則

保険は、次のような原則で成り立っている。




収支相当の原則

収支相当の原則

契約者が払込む保険料と、保険会社が支払う保険金が等しくなること。

保険制度が収入支出のバランスを取ることを目的としている。

これにより、保険制度の持続可能性が維持されるよ。



レクシスの原則

レクシスの原則

リスクに応じた保険料を負担しなければならないこと。

リスクが高い場合は高い保険料を支払い、
リスクが低い場合は低い保険料を支払う。

これにより、公平な保険料負担が実現されるよ。

給付・反対給付均等の原則ともいう。

保険法

保険法は、保険契約に関するルールを定めた法律のこと。 次のような規定が設けられている。


  • 保険金の支払時期に関する規定など、契約者を保護するための規定を定めている。
    保険金の請求が行われた場合、保険会社は迅速に保険金を支払わなければならない。
    保険金の支払いが遅れた場合、保険会社は遅延損害金を支払わなければならないこともある。
    これにより、契約者や受取人が経済的な不安にさらされることを防ぐよ。

  • 保険金請求権は3年、保険料請求権は1年と時効を定めている。
    保険金請求権は、契約者や被保険者が保険会社に保険金を請求する権利のこと。
    また、保険料請求権は、保険会社が契約者に対して保険料の支払いを請求する権利のこと。

  • 契約者が重要な事項を故意に告知しなかった場合、保険会社は保険契約を解除することができる。
    例えば、生命保険系約を結ぶ際に、持病があるのに持病がないと回答した場合がこれに当たる。
    保険会社は、契約者が病気になるリスクを低く見積もってしまい、保険料が不正に安くなってしまうよ。

  • 保険金の受取を目的として被保険者を殺害した場合や、保険金の請求にあたって詐欺を行った場合は、保険会社は保険契約を解除することができる(重大事由による解除)。

  • 原則として、契約者に不利な内容は無効にする。

  • 被保険者と契約者が異なる死亡保険契約について、被保険者の同意がない場合は無効にする。
    例えば、被保険者が知らないうちに死亡保険契約が結ばれて、被保険者が命を狙われる場合がある。
    保険金目当ての犯罪を防ぐために、被保険者の同意が大切になるよ。

保険契約だけでなく、共済契約共済組合JA共済全労済CO-PO共済)についても適用される。

共済契約は、共済組合が提供する保険契約のこと。

共済組合は、特定の職業、地域、団体の者が加入する組織のこと。非営利で運営されていることが多い。

JA共済は、農業協同組合(JA)が運営する共済組合で、農家や地域住民を対象としている。

全労済は、全国労働者共済生活協同組合連合会が運営する共済組合で、労働者やその家族を対象としている。

CO-PO共済は、生活協同組合(CO-OP)が運営する共済組合で、組合員を対象としている。

保険業法

保険業法は、保険会社の適切な運営や、公正な保険募集により、契約者の保護を図る法律のこと。




義務

義務


  • 保険業を行うものは、内閣総理大臣の登録を受ける必要がある。
  • 保険会社は、契約者の意向を把握し、これに沿った保険商品を販売しなければならない(意向把握義務)。
  • 保険募集時、契約者が保険に加入するかを判断するのに必要な情報の提供をしなければならない(情報提供義務)。


禁止行為

禁止行為


  • 契約者に虚偽のことを告げる、または重要事項を告げない。
  • 契約者に不利益となる事実を告げず、既存の保険契約を解除させ、新たな保険契約を締結する。
  • 契約者に保険料の割引など特別な利益を提供する。
  • 契約者に利益が生じることが確実であると誤解させる。

共済は保険法では対象になるが、保険業法では対象外になる。

契約者の保護

契約者を保護する機関や制度には、次のようなものがある。


保険契約者保護機構
保険契約者保護機構は、保険会社が破綻した場合に契約者を保護するために設立されている。

国内で営業する生命保険会社は、生命保険契約者保護機構への加入が義務付けられている。

また、国内で営業する損害保険会社は、損害保険契約者保護機構への加入が義務付けられている。


少額短期保険業者共済は、保険契約者保護機構への加入義務がない。

銀行が販売する生命保険は、保険契約者保護機構への加入義務がある。



保険契約者保護機構の保護内容は、次のようになる。


保険の種類 補償割合
生命保険 破綻時点の責任準備金の90%

責任準備金は、保険会社が保険金を支払うために積み立てておくお金のこと。

損害保険 自賠責保険100%
地震保険 80%

破綻後3か月間は100%になる。

自動車保険
火災保険 90%
短期傷害保険
海外旅行傷害保険
年金払積立傷害保険
その他の疾病・傷害保険
クーリングオフ制度

クーリングオフ制度は、契約をしてしまった後でも、契約を解除することができるもの。

契約の申込日またはクーリングオフに関する書類を受け取った日から8日以内に、契約の解除を書面で行う。

ただし、次のような場合は契約を解除することができない。


  • 保険会社の営業所に出向いて契約をしている
  • 契約にあたって医師の審査を受けている
  • 保険期間が1年以内の契約
  • 法人が締結した契約
  • 加入義務のある保険の契約
ソルベンシー・マージン比率

ソルベンシー・マージン比率は、予想できないリスクが発生した場合に、保険会社が対応できるかを判断する数値のこと。

数値が高いほど安全性が高く、200%以上であることが望ましい。200%を下回ると、金融庁から早期是正措置が発動されるよ。